医王堂通信
としろぐ

不妊症・妊娠

2006.7.25

不妊症は病気でしょうか?
普通は子供が出来るのがあたりまえと考えがちですが、妊娠はとても不思議で神秘的なことで、人間が思うようにできる事ではありません。
まずはからだを充実させることが先決ではないでしょうか。
西洋医学の治療では、明らかに病的な症状や異常検査値がでないと、なかなか手をつけることも難しいでしょう。しかも、ホルモン剤で生理をコントロールしたり、いろいろな方法がされているようですが、ホルモン剤の副作用で体調を崩してしまったり、不妊治療のいつできるかわからないことに対する不安などで、精神的につらい方も多いようです。
妊娠は1人では出来ません。男性の方も精子の動きが悪かったり、数が少なかったりその他いろいろあるようですが、男性に使うお薬はあまり西洋医学では使いにくいようです。
東洋医学では男性でも女性でも、どこかに滞りがないかを考え、その滞りを通じることによってからだのバランスをとり、気もからだも充実するように導きます。それで結果的にお子さんに恵まれる事は意外と多いように思います。
気をつけなければならないことは、西洋医学で病気というレベルと、東洋医学で病気というレベルが違う事です。生理痛と生理不順のページにも書いたように、妊娠したいのに生理関係がおかしくてはしょうがありません。生理痛や、生理不順、生理時の血の塊、おりもの、PMS、生理前症候群、月経前緊張症などは、できる事ならば改善した方が良いでしょう。これらは西洋医学的にみてあまり病的な所見がなくて治療やりようがなくても、東洋医学的には自覚症状としてあるので、時間はかかるでしょうがだいたい改善できるはずです。
男性でも女性でも生殖関係のことは「腎」がつかさどっています。「腎」はストレスにとても弱い臓器です。自分の「器」以上のストレスが過度にかかったり、長年にわたって蓄積すると、だんだん腎が萎縮し弱ってきます。そうすると「腎」がつかさどっている場所に障害が現れるのです。例えば、子宮関係、膀胱、神経痛類、神経衰弱、腎臓病、骨、歯、耳、肩こり(左)などです。
腎を丈夫にする食べ物は「黒い食べ物」です。黒ゴマ、黒豆、黒豆納豆、海藻類などもよいですね。
もちろん冷え性もよくありません。女性の子宮は畑です。畑は柔らかくて、温かくないと種がついても発芽しませんよね。
西洋医学では不得意な男性に対しても、漢方処方や自然薬は力を出したり、生殖器をつかさどっている臓器の「腎」に力をつけるものは数種類あります。中でも鹿の若い角である「鹿茸」や、「胎盤」などを漢方処方と併用して使う事もあります。

そのほかにも最近は自分にはもちろん、産まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠する前からダイオキシンなどの内分泌攪乱科学物質(環境ホルモン)の解毒(デトックス)に役立つサプリメントを利用される方も増えています。
最後に。「妊娠」、こればかりは焦ってできるものではありません。焦りがストレスになり逆によくありません。女性のからだの問題と言われようが、男性のからだの問題と言われようが、赤ちゃんができる時はできるし、問題が無くてもできない時はできません。これはふたりの問題なので、「どちらが悪い」という発想はあまり前向きではないと思います。まずはからだも気持ちも充実させることが大事です。
いろいろやり方はあるので、お困りのかたはご相談下さい。