医王堂通信
としろぐ

紫雲膏「華岡青洲先生」

2005.1.22

「紫雲膏」それは世界的に有名なお医者様「華岡青洲先生」のお考えになられた処方です。
成分はごま油、蜜蝋、豚脂、当帰、紫根です。
ごま油を煮て蜜蝋、豚脂を溶かし、当帰を入れてこげる前に取り出し、しばらくして紫根を入れて少したったら引き上げます。それを缶にいれて冷やすと出来ます。そうすると紫根のきれいな赤色が出ます。この当帰や紫根は、化粧品にも美肌になるからといって最近配合されています。

この軟膏は乾燥性の皮膚病や外傷にとてもよく効きます。特にオススメなのが「火傷」です。程度によりますが、西洋医学の療法よりもケロイドにもならずきれいに治ります。使い方は厚めにネルやリント布に塗り、湿布をするような感じで貼るのがコツです。「火傷」の後はすぐに水で冷やし、その後「紫雲膏」を貼ります。それでヒリヒリも減ってきますし、軽い火傷であれば跡もなくきれいになります。
そういう自分も小学校の頃に、昔は道端で缶で焚き火をしているときにふざけていたら足をその缶の中に入れてしまい、膝から下のすねの部分が25センチ位にわたり、火傷してしまいました。皮膚は溶けてしまいひどく痛かった事を覚えています。すぐに水で冷やし、それから「紫雲膏」をべっとり貼ると、しばらくするとずいぶん楽になりました。ただ熱を持ってくるとまた痛くなってくるので、すぐにまた貼り変えました。痛みは隣の部屋の人の足音が響いてくるほど痛かったですが、結構早くよくなり今は見てもほとんど分かりません。その後も跡が残らないように塗っていました。

そのほかにも色々使えます。「乾燥性のアトピー」「皮膚のカサカサ」「しもやけ」「手のひび」「あかぎれ」「いぼ」「怪我」「痔」「いぼ痔」「痔ろう」「乾燥性の水虫」「うおのめ」「とげ抜き」
このようにジクジクしていない症状には色々使えます。
ちょっと変わった使い方としては、花粉症・アレルギー性鼻炎の時に鼻の中に塗るのです。意外と楽になります。馬油よりも血流をよくする効果は高いと思いますので。お勧めです。

私の父のことですが、半年前に雑巾を絞ったら中にちいさなガラスの破片があり、それが指に刺さりました。特に触らなければ痛くないので、父はほおっておいたのですがいつまでたっても出てこないし、「紫雲膏」を塗ってみたらどうかと思ったらしく、半年振りに貼ってみました。そうしたらなんと3日くらいで出てきたのです。これには驚きました。「紫雲膏」も「華岡青洲先生」もすごいですが、人間のからだもすごい力を持っているなぁと感心しました。
原材料は自然のものなので、使用方法で特に気をつける事はございませんが、あえて言うならばジクジクしている時と、赤くなっていて痒みがひどい時です。この軟膏はごま油ベースなので、水っぽい症状の時はまずは乾かさないと患部は治りにくいため、状況によりますが、たとえば亜鉛華の入っているような軟膏の後につけたり、混ぜたりするなど工夫が必要です。「紫雲膏」は血流をよくするために痒みのひどいところにつけると痒みが増す場合があります。

漢方薬と一緒で、同じ「紫雲膏」でもメーカーによって質の差があると思いますので、きれいな赤色で臭いがあまり臭すぎないものを選びましょう。漢方で有名なメーカーが質がよくて有名とはかぎりませんので。漢方を勉強している薬剤師さんに相談して選びましょうね。
一家に一個あるととても便利です。すこしべたつきますが、リップクリーム、ハンドクリームの代わりや「シミ」「シワ」にもいいはずですよ。(効能効果ではありません)
ぜひお試しあれ。

5.5g 600円・20g 1400円・50g 2500円 税別