医王堂通信
としろぐ

漢方薬の即効性

2005.2.5

漢方薬は薬味の配合種類の数によって効き方が違ってきます。
配合されている薬味の種類が少ないほど切れ味、ようするに即効性があるといわれております。10種類以上など多く配合されている処方は、切れ味がないぶん慢性病につかいます。逆に種類の少ない処方、例えば「甘草湯」は1種類、「芍薬甘草湯」は2種類、等は切れ味もあります。しかし頓服的に集中して使うため慢性的な症状に長くはあまり使いません。
これを長く使うとどうなるでしょう?
最近よく漢方薬にも副作用があると言われています。「甘草」の1日の服用量が多いと、なかにはむくんだり、血圧が上がったりする人がいるといわれております。「甘草」は上記の処方に多く含まれ処方の重要薬味ですが、漢方薬を「陰・陽・虚・実」というちゃんとした東洋医学的な考えで処方している場合はほとんど問題ありませんが、痛み止めや痙攣止め、こむら返り止めなど西洋医学的に考えて、痛み止めと同じく良くなるまで長期にわたって毎日3回服用させるような事をしますと、よくない場合もでてきます。しかしこれは漢方薬が悪いのではなく、使い方の問題です。
ただ「甘草」が入っていても他に色々な薬味が配合されている場合はあまり問題ありません。「甘草」が多く入っている処方でも、おしっこの出にくい人やむくみを治す処方にも入っているからです。
例えば「ぎっくり腰」は、まず初めに筋肉が緊張してこわばっています。そのこわばりを取るために「芍薬甘草湯」等の緊張を緩める処方を頓服的に飲んで痛みを和らげます。その途中から、腰に効く処方を飲みながら痛いときは頓服で「芍薬甘草湯」等を飲みます。
「こむら返り」も同じで、冷えや水っぽさを取る処方を飲んでいき、どうしてもつる場合は頓服的に「芍薬甘草湯」等を飲みます。
古典の処方は、近年考えられた処方よりもシンプルで薬味数が少ないため即効性、切れ味があるため、長く患っていた病気も1週間くらいでだいぶ改善された例も少なくありません。ただ「陰・陽・虚・実」を間違えるとよくないので慎重に使っております。