医王堂通信
としろぐ

漢方薬は高い?

2009.2.14

自分の価値観を人に押し付けるつもりもありませんが、値段にもいろいろ理由がある事をわかって頂きたいと思い書きました。
お店によっても違いますが、例えば、相談薬局では、お値段も保険医療と違って自費になります。しかし、保険点数内の薬味を使わなくてもかまわないため、薬味の質が良いものを使える事が出来る場合があります。
漢方を教えていただいている先生の方々には、みな最高の質の物を使いなさいと教わりました。そのほうが早く患者さんが楽になるから。
七味唐辛子も安くて気が抜けている物は、美味しくもありません。病気に対して使うのであればなおさら質の良いものを使うべきでしょう。そうすれば結果的に服用時間も少なくてすむと思うからです。
しかし最近、漢方薬が流行していて、生薬の値段が毎年1回~2回程度上がっています。これは需要のせいばかりではなく、地球の環境やその他の問題もありますが、特に気になることは、生薬が適当に使われているのではないかということ。そして無駄になっている。
みなさんが自然のものに興味を持つことはとても良いことですが、逆に適当に漢方薬を使っている人も増えています。東洋医学には東洋医学の理論があり、漢方薬はその理論にしたがって使わないと本来の効き目を発揮しません。
ですから、漢方薬を自己流で選んだり、または勉強していない方に飲みたいからと言って出してもらい、効かなかったから飲まない、捨てるという前に、東洋医学を勉強してそうな専門家に是非相談してください。
自分は値段をあまり上げたくありません。漢方薬をお金持ちだけの医療にしたくないからです。しかし質は落としたくありません。
なるべく努力はいたしますが、生薬の質や収穫量も落ちているため、いずれ漢方薬のお値段はだんだん上げざるをえないと思います。漢方薬を扱う者としてもっともっと勉強し、生薬を上手く使い大事にしたいと思います。自然の物には限りがあるのですから。