医王堂通信
としろぐ

アルツハイマー病治療に光?ヤマイモ

2012.8.8

2012年7月27日(金)の読売新聞に掲載されたお話です。
「アルツハイマー病治療に光」
「ヤマイモ成分で記憶機能回復」
ヤマイモは山の薬と書いて山薬という生薬名で、八味丸、八味地黄丸、八味腎気丸、六味丸、薯よ丸という漢方処方に含まれます。
山薬のページにも書いてあります。
人間のエネルギーの倉庫である「腎」を養う薬草です。
簡単に言うと、滋養強壮剤、精力剤です。
荒木朴庵先生の新古方薬嚢によれば、「中の傷れを補い腰より下を温める効果あり、一種の強壮薬として用いらる。腰痛を治し小便を調う。」と、書かれています。
腎は下半身、足腰を守っていますが、年をとるとだれでも弱くなってきます。弱くなってくると足が冷え、足腰も弱り、おしっこもうまくできず、耳も聞こえなくなり、のぼせがちになりやすくなり、頭にも血が上りやすくなります。
年をとると、体力にも考える力にも余裕が無くなり、イライラしたり、人を許せなくなったりし、人からわがままにみられます。昔から年をとると子供に戻ると言われるのはそのためでしょう。
数千年も昔より、東洋医学では山の芋がお年寄りに必要なことはわかっていて、漢方薬として利用されてきました。ヤマイモが精力がつくという事は皆さんご存知でしょう。
記事によると、強壮作用があるとされる化合物ジオスゲニンに換算した量であるので、1日10kgのヤマイモを食べなければならないと書かれていますが、現実的には難しそうですね。しかし、漢方薬はヤマイモだけでなく、他にも薬草が入っており、それらの相互作用でものすごい力を発揮します。
病気を治す事が難しい場合は、治療を目標にせず、からだに力をつけて元気にするだけでも、病状が楽になることが非常に多くあります。お年寄りは特にピンピンコロリを目指して普段元気になるような漢方薬を使うと、記憶力なども戻ってくることがあります。
漢方薬は治療目的だけでなく、その人のからだに合った処方を使うと、年齢なりですがとてもからだが充実し、すこやかに生活できます。皆さんが考えているよりも漢方薬は効きますので、ぜひご相談ください。