医王堂通信
としろぐ

薬局のお仕事「予防と養生をお勧めする」

2012.12.6

薬局のお仕事は、薬を売ることだけでなく、お薬を作ること、病気の相談すること、お医者様を紹介すること、などいろいろありますが、本来の目的は「地域の方たち(国民)の健康を維持するために協力すること」と私は考えています。
最近は、医療費の赤字などの問題が言われています。
病気になったら病院へ行ってお薬をもらい、改善することも重要ですが、できればお薬は使いたくありません。そのためには、病気にならないようなからだ造りが必要と考えています。ようするに「予防」そしてそのための「養生」です。
現在の西洋医学での治療では、検査数値が病的であれば、病名がついて病気と認定され、それに対するお薬が決まってきます。ということは、体調が悪くても検査数値がおかしくなければ病気と認められにくい状況ということです。誰が見ても「この人は病気のようだ」という状態にならないと治療しにくい。保険医療だとしかたがないこともあるでしょう。
漢方のバイブル、傷寒論の序文にはこういう事が書かれています。技術の高い治療者は、病気になるのを予測し、手遅れにならないように防ぐと。表面上の症状だけにとらわれず、根本を見つけるられ治せると。しかし、本人に治す気が無いと治せないと。
病気になってからお薬で治すということは、戦争が始まっているのにこれから武器を作る、水が無くなってから井戸を掘ることと一緒です。これから予測がたつような事はなるべく避けるべきだと思います。
生活習慣の悪さからくる病気の場合は、お薬を飲む前に食養生するとか、運動をするなど、生活習慣を改善すべきでしょう。疲れがたまっているようでしたら、倒れる前に休息することが必要でしょう。それでも改善できない場合はその状況にあった自然薬や、漢方薬などでフォローしたらよいでしょう。健康保険での医療費は健康な人のお金も含めての税金です。養生をすればずいぶん減らせるはずです。安易にお薬に頼ることはお気をつけ下さい。根本を改善しなければ、またもとに戻ります。
病気になってから必要なお金よりも、ならないようにするほうが同じお金がかかっても、他に多くの利益があります。お金があっても治らない病気もたくさんあります。自分の命ですから大事にしましょう。
健康が一番です。