医王堂通信
としろぐ

病名漢方はいかがなものか。(医療者向け?)

2013.4.16

漢方が流行っていますが。。
病名漢方が多過ぎますね。
今までの医療は西洋医学の理論に基づいて「病名」をつけます。その病名をつけるのがお医者さんの仕事で、その人の技術になります。要するに診断する腕前です。その正しい診断に基づいて処方されたお薬を、正しく調剤し、そして正しく服用して頂くお手伝いをするのが我々薬剤師の仕事の1つです。
最近は漢方が流行り、病院ではお医者さんが、薬局では薬剤師さんが漢方を患者さんに処方します。しかし、漢方は東洋医学の理論により患者さんを観察、質問などをし判断し、処方を選ぶ必要があります。
ここで重要なのが、「東洋医学の理論により」ここが重要です。
東洋の理論は一見難しいですが、あくまでも「自然学」なので、医療関係者でないと理解ができないような理系の難しい学問ではありません。
そこでもうお分かりかと思いますが、西洋医学の診断でつけた病名に対して、まったく違う発想の医療である漢方薬をうまく使えるのだろうか?ということです。時代遅れかもしれませんが、昔から漢方の大家の先生方々は、「病名漢方はやめなさい。間違いをおこすよ」と。注意されています。
良く考えてみればあたりまえのことです。一昔前までは漢方薬には副作用があまりないと言われていましたし、漢方薬局でもおかしくなったり、甘草の量にピリピリしたりすることはほとんどありませんでした。しかし、一般的にはここ数年で副作用があるのがあたりまえという認識になってきています。
数千年も前から使われている漢方薬は、もの凄く効きますので適当に使うものではありません。ですから気をつけて使わないと、見立てが間違っていればおかしくもなるでしょう。それを副作用と言われてしまう事が多くなっているのが今の現状かもしれません。
たとえば、「〇〇湯は胃腸障害を起こす。」とよく書かれていますが、それは成分を見ればわかるし、昔から言われていることだし、東洋医学を学べばすぐにわかることで、患者さんと正しく向き合えば回避できます。そうすれば○○湯は胃腸障害という副作用があまりないお薬になります。
患者さんは、急性病でなければ、東洋医学的にちゃんと時間をかけて問診してくれるお医者さんや薬剤師さんに相談しましょう。そのほうが体調のバランスをとるのは近道です。
私たち医療者は、技術を学ぶのに近道はありません。安易な方法に逃げず、じっくりと継続して学ぶべきでしょう。みんなで勉強していきましょう。私のまわりの薬剤師をはじめ医師や鍼灸師も、みんな頑張っていますよ。