医王堂通信
としろぐ

処方箋薬としての漢方薬と、手軽に買える一般用漢方薬の違い

2014.6.19

病院で処方される漢方薬と、ドラックストアなどで売っている、誰でも手にとり買える一般の漢方薬の違いはどうでしょう?
一般的には、病院で処方される漢方薬よりも、一般薬の漢方薬のほうが、成分が薄いからと、効果が少ないなどといわれますが、私はそうとは思いません。これまで「漢方煎じ薬と漢方エキス薬 効果が違う?こだわりとは。」のページで説明したように、生薬の質はメーカーによってさまざまです。作り方もそうです。こだわって修治をした生薬を使うメーカーもあります。一般薬のほうの成分を濃くしているメーカーもあります。同じ漢方処方でも、そのメーカーが基としている漢方の原典も違うと、生薬の比率も違ってきます。医療保険適用の医薬品とは、国が決めたものなので、質が悪いものではありませんが、質が良いものではありません。
エキス薬の漢方薬も、ちゃんと効きます。しかし、煎じる漢方薬とは私は別物と考えています。私の考えでは、エキス薬もメーカーを選べば違うし、大量生産のエキス薬は、原典の作り方ができない分、その処方をピタリと患者さんに選ぶのに、精度を上げてあわせないと、ズバッと効かせるのが難しいと思います。そのためには、東洋医学的な問診や観察などをしっかりとしなければいけないと思います。
今までの経験からすると、患者さんの反応が過敏な方には、赤ちゃんの服用量でも十分効果があります。そのため、そのような方には、あえて本格的な煎じる漢方薬ではなく、効果のやさしいエキス薬の漢方を選ぶなど、工夫をしています。
今まで、「あなたは漢方薬は、からだにあわないようですね」といわれている方のお話しをお聞きしますが、それは私には疑問です。