医王堂通信
としろぐ

花粉症は腕の見せどころ

2017.3.13

すでに「花粉症」真っ盛りですが、花粉症に対する漢方治療は、腕の見せどころです。
花粉症には小青龍湯が有名ですが、小青龍湯は花粉症用というわけではなく、漢方処方それぞれに目標とする症状や体質あり、その通りに使わないと効かないばかりか、副作用と考えがちなことがおこります。
気温や湿度の変化、風の吹き方などの環境によっても花粉の飛び方、飛ぶ量に違いが出るため、毎年同じということはありません。私たちも普段の生活の仕方で、からだの状況は刻々と変化しているため、年によってもアレルギー症状は違います。
漢方薬の簡単な症状(花粉症・鼻炎に等)の説明を読んで、簡単に選んで効けば私たちは苦労しません。自然の摂理に則って作られている漢方薬は選ぶのがとても難しいですが、ピタリと合わせるとビックリするほど効くことがよくあります。多少の手間はかかりますが、漢方薬はご自分で煎じたほうがよいでしょう。
とにかく身体が何と言っているか(症状)という事を、くわしくお聞きする事につきます。
アレルギー性鼻炎の場合、水のような鼻水なのか、粘着質な鼻水なのか、黄色いのか、緑なのか、つまるのか、鼻の粘膜がはれているのか、乾いているのか、痒みがあるのか、どこが痒いのか、熱があるのか、のぼせるか、冷えるか、小便や大便は出ているか、などなどきりがありませんが、適切な漢方処方を選ぶためには、症状の問診にかかっています。
もちろん見た目も重要です。漢方処方を選ぶためのたくさんのヒントがあります。赤い顔、白い顔、黄色い顔、黒い顔、舌や皮膚、爪、髪の毛の状態など総合的に観て、どこにどのような偏りがあるか判断していきます。
漢方をはじめとする、自然薬の事は私たち専門家にご相談下さい。その為に漢方煎じ薬を作っているほとんどの漢方相談薬局は、古典を読み日々修行しているはずです。
「自然のめぐみ」ですから、正しく、無駄にしないように使いましょうね。
としお
バーゼル、グリンデルワルド 2016/5