医王堂通信
としろぐ

産後のうつのご相談が増えています。

2017.9.8

最近、産後のうつのご相談が多くあります。
子供がかわいくない。
そんな自分が信じられない。
イライラしてしょうがない。
理由もなく不安になってしまう。
かってに涙が出てきてしまう。
無関心になってしまう。
食欲がでない。逆に過食してしまう。
母乳が出ない。
熟睡できない。
ヘトヘトに疲れている。
など、人によって様々な症状で苦しんでいらっしゃいます。
そこで、日本漢方、東洋医学だとどう考えるのか。
私たち日本漢方を学んでいる漢方家のバイブルである、2000年位前に書かれた『金匱要略』の婦人産後病編 にシッカリと書かれています。
ということは、原因不明ではないという事です。
簡単に書きますね。イメージして下さい。これが大事。
妊娠し、一生懸命赤ちゃんをお腹の中で育てるために栄養を血液から供給し、出産しその時に出血し、汗(血液の成分)をかき、そしてすぐに母乳(お母さんの血液)を飲ませる。
妊娠中は貧血の方が多いですね。もともと充実している人や栄養の貯えがある方は、少々血液が減っても大丈夫だし、すぐに血液を作り出せます。
では、産後のからだはどのような状態でしょうか?
栄養や血液が少ない状態です。貧血、栄養不足、クタクタに疲労しています。妊娠前に貧血傾向の人、痩せている人、冷え症の人はこの状態にさらに近いです。
そのために、バランスを崩し自律神経が不安定な状態に陥ります。一時的な状態の事が多いので、そのうちに身体の状態も回復し、自然と良くなる事もありますが、精神的な症状は結構辛いものです。
妊娠、産後を経てという原因がわかっている結果なので、一時的な産後うつは短期間で改善できる事が多くあります。日本漢方では、一時的に失った血液や栄養を増やしたり、食欲を出したり、気力をあげたり、イライラを鎮めるなどの神経症状も含め、様々なフォローができますので、ご安心ください。
こういう相談が多いのは、妊娠する前のからだと心が健康的でない(充実していない)のではないでしょうか。親から頂いたかけがいのない「からだと心」を大切にしましょうね。漢方薬をはじめとする自然薬は、うまく使えば人のからだに悪さはしません。妊娠中でも授乳中でも、様々なお困りの症状に対応する事が可能です。仕方がないとあきらめずに、お近くの漢方を学んでいる漢方家にご相談ください。
漢方家とは漢方薬の煎じ薬を調合する、薬剤師、医師の事です。
#産後うつ

としお