医王堂通信
としろぐ

新型コロナウイルス流行後と皮膚病 2020年6月

2020.6.8

みなさん こんにちは。
緊急事態宣言発令など、半年前まではこのような事になるとは想像できませんでした。漢方の教科書である傷寒論は、傷寒といって強烈な風邪のような伝染病の治し方が書かれている書物です。はじめの序文には、この病気で人々がずいぶん亡くなってしまったから、しっかり傷寒論を読んで学び病気で困っている人々を救いなさいということも書かれています。流行病は昔からある事です。
漢方相談薬局には皮膚病の相談が多くあります。西洋医学では治しにくい一面があるからです。私もアトピーだったのでアトピーの治療は得意分野ではありますが、5月に入り皮膚病の相談が増加しています。暑くなり湿気も多くなってきたので、季節的な事もありますが、主な原因はストレスです。
普段より外に行けない、運動できない、汗もかけない、社会的にも家庭内でも環境がガラリとかわってしまい対応出来ない、見えないウイルスの恐怖、極度の緊張や不安、マスクや消毒、マスコミによる死亡者、感染者数の増加を目の当たりにしてみなさんヘトヘト、肩はコリコリ、イライラして歯をくいしばっている。
ストレスを排泄、発散できていない。するとそのストレスのベクトルは内攻して、血液や水分や気の流れが悪くなります。すると心やからだのバランスがとれなくなり、イライラし痒みなどを作りだします。
当店のアトピーサイト「”アトピー&かゆみ”からの脱出!」でも以前お伝えしましたが、アトピーや一部の皮膚病はストレスが原因のほとんどをしめる割合が多いため、皮膚の症状に注目するだけでなく、ストレスと向き合いうまく処理する事が重要になります。
ここ2~3カ月で悪化した皮膚病は、裏を返せばストレスが原因とわかりやすい。もともと皮膚病が漢方薬で治った人たちは、なぜ再び皮膚病になったのか、どうすれば良くなるかわかっているので、私も処方しやすい。
私の尊敬する漢方の先生のお言葉です。
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「病気になるのは環境への適応ができないから。」
それができるように、最適な漢方薬を作るだけでなく、養生のしかた、悩みの解決方法を一緒に考えて患者さんを導いてあげなさい。
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コロナもはやく治まってほしいですね。
さすがに趣味である海外旅行はしばらく行けそうもありません。海外に行けていないのでセンスの充電が切れかかっています。
まだまだ修行は続きます。
としお

写真はガルミッシュパルテンキルヘンのツークシュピッツェ山へ上るゴンドラ駅