医王堂通信
としろぐ

漢方の勉強の仕方(本気で勉強したい医療者向け)

2014.5.20

先日、同窓会に行ってきました。
いろいろと話していると、卒業して20年以上たちますが、同期だけでなく、学生たちや、薬剤師会の地元の同僚も、漢方をどうやって学んだらよいか、わかりにくいようです。
昔から日本漢方は、師匠について弟子として入門し、学んでいくものでした。それは今でも同じで、私もお店に入ってからずっと師匠について学ばさせて頂いております。
私の父もそうでした。
学び方は流派にもよると思いますが、基本的に勉強は自分で考えて学ぶものです。師匠に教わって覚えるのではなく、学び方を教わるもの。
数千年前の古書である、傷寒論や金匱要略の原文を読み、自分で地道に解釈していきます。非常に時間がかかり、難しい事です。根気が必要で、現代的な学び方ではないかもしれません。
しかし、それらの古書の翻訳本を読めば簡単に読むことができます。しかし、それは、翻訳者の考えにもとずいて解釈したものなので、古書の作者と感覚が違うかもしれない。翻訳者にもいろいろな方達がいらして、正しい事を書いているかわからない。その翻訳者の弟子となるのであればよいのでしょうが、古書と自分の間に人(翻訳者)の考えが入ってしまうので、クセという微妙な一面が出てきます。
もちろん間違ってはいませんが、他の本を読むと他の人のクセもでてくるので、そういうつもりで読んでいかないと、違う本には違う解釈が書かれていて、どっちが正しいかわからないという事もでてきます。
こんなことを書いていると、いくら書いても終わらないので、これくらいにしておきますが、漢方にはどれが正解といういう事ではなく、流派も多数あり、学び方も様々だと思いますが、まずは楽しんで長く続けるとが重要だと思います。
長く続けると、いろいろなことがだんだんとわかってきて、とても楽しくなってきます。お薬の勉強というより、植物のこと、動物である人間のこと、地球のこと、食べ物のこと、季節や時間などの時節のこと、など自然を学ぶことです。医師や薬剤師が特別に使える勉強をする医学とは、私は考えていません。易学や方位学も含まれます。
だから勉強が苦手?な私にも続けられるのです。休みの日には野山へ行き、薬用植物をみたり、毎日生薬を触ったり、患者さんとお話をし、漢方薬を料理のように煎じて服用して頂くと、いろいろなことがわかってきます。
実践も非常に大事です。本を読むだけで、実践していないと、なかなかわかりにくいと思います。卒業した薬剤師たちに、とにかく自分で作って、自分で飲んでみたらよいと話しています。
あとはひたすら本を読む。
そこで、私がお世話になっている勉強会のご紹介です。
朴庵塾セミナー
これは師匠&弟子の学び方の会(信和会)へ入る前段階の勉強会で、気楽に楽しく勉強できるはずです。漢方認定薬剤師の単位も取れます。初級と中級があり、以前私がお話しした3時間は初級クラスでした。初級は薬味の勉強と、八味丸などの漢方薬をつくることや、簡単な使い方などを学べます。
中級は傷寒論、金匱要略をじっくり読む時間です。先生が解釈してくれます。
基礎から学べます。薬用植物園の観察会なども開催しています。
こちらはもっと深く勉強したい人の会
信和会