母乳育児と乳腺炎
お店の前のビルに桶谷式のアオバ台母乳育児相談室があります。
そこには母乳育児でお困りの方や、乳腺炎で高熱のお母さんなど、多くの方が相談に来られてよくなっていて、いつも予約でいっぱいだそうです。
その患者さんの中でも特に重症の方は、先生に紹介され当店にいらっしゃいます。ご相談はほとんどが乳腺炎です。乳腺炎は原因がわかっている急性病なので、漢方薬で対応するのもあまり難しくありません。39度近くの急な発熱に初めての方はビックリされるようですが、それなりに対応すれば、我慢したり、解熱剤を飲んだりしなくても改善できます。
授乳中や妊娠中にお薬は飲んではいけないと、思いこんでいる方が多くいらっしゃいますが、漢方薬であれば対応できることが多くあります。もちろん使ってはいけない薬草、漢方処方がありますので、東洋医学の漢方薬を中心に治療している医師や薬剤師に相談することが必要です。
妊娠中の風邪の漢方、咳の漢方、つわりの漢方、安産のための漢方、流産を回避する漢方、など数千年前より現在も使われています。
「アトピーと産後の漢方薬」にも書いたように、産後にも漢方処方はいろいろと考えられています。
乳腺炎は急な詰まり、炎症なので、葛根湯や桂枝加葛根湯、排膿散、柴胡桂枝湯などで対応することがほとんどです。しかし慢性になってしまっていたり、疲れや貧血がひどい場合、母乳が少ない場合は、補う漢方処方の当帰建中湯など、症状と体質を見極めて煎じる漢方薬を正しく使うとよくなります。母乳マッサージと併用することが重要です。漢方処方は状況で異なりますが、2~3日分もあれば十分で、速ければ2~3回服用でも解熱できます。それは普段の風邪の治療と一緒です。漢方薬はみなさんが想像しているよりも速く病気を治す事が出来ます。
ただし、乳腺炎になった原因があるわけですから、食事をはじめ、生活で改善できることはご自分で実行して頂かないと、治療の効果は半減しますので、お気をつけ下さい。
重症でない人の場合は民間療法として、たんぽぽの根(蒲公英)を昔から使います。母乳の出が悪い人には牛蒡の種(牛蒡子)なども使います。
母乳育児を楽しんで。
お困りの時は、なんでもご相談ください。