医王堂通信
としろぐ

秋は乾燥の季節ですが、今年は厳しそう

2023.9.8

2023年夏。気象庁によると統計開始以来125年間で最も暑い夏ということです。先月10日には新潟県の糸魚川市で最低気温が31.4度と歴代の全国1位を更新するなど、全国248地点で最低気温が最も高くなりました。私はちょうどこの頃新潟にいました。車の外気温度計では41度という初めての経験でした。

新型コロナも流行していますが、初期の頃より危険性は低い傾向なので、気は抜けないもののひとまず一安心です。高熱とのどの痛みが特徴です。今まで自粛をし続け、今年の春より解放され外出し始めましたが、精神的にも肉体的にも弱っているところへ、この暑さです。さすがにまいってしまいます。

新潟では雨が少なく高温と渇水が問題になっていますが、私たちのからだも同じで、高温により乾いています。お肌や口の中、唇、目など乾燥が気になりませんか?コロナ感染症で高熱が出た方は、さらに乾いているはずです。

真夏の水が少ない川は、暑さにより水が減り干上がってくるとゴミや汚れも流れず、しまいには流れなくなり詰まってしまいます。人に例えると血管(川)を流れる血液から水分が失われ熱を持ち、粘着質でドロドロになり心臓に負担がかかります。すると、からだの体液の流れが悪くなります。その結果、血栓や結石ができたり、血糖値が高くなったり、膀胱炎になったり、特にご自分の弱い臓器の働きが悪くなります。これが脱水状態が原因でおこる夏の病気です。水分摂取は必須ですが、失った水分を飲めばすぐに元に戻るわけではありません。失われた体液を戻すのには時間がかかるのです。日ごろの予防と養生が大切です。

一見元気でもあっという間に弱ってしまうのは子供やお年寄りです。子供は元気という熱エネルギーの塊なので水分を多く必要とし、速く消費します。お年寄りは熱エネルギーは少ないですし、水分を貯えるタンクである筋肉も少なく、しかも食事量も少ないのですぐに枯渇しやすいのです。

そこで乾燥の秋になります。秋は冬の冬眠に備え食欲の秋というように栄養を貯える季節です。今年の夏を考えるといつもより乾燥に気をつけた方がよいでしょう。

春は「芽」のものを食し、夏は「葉」のもの、秋は「実」のもの、冬は「根」のものを中心に選んで食べるとよいと言います。秋は収穫の時期で、植物は栄養を実に集めるから、秋は「実」を食することが自然と合致しているのです。

特に秋は「肺」が乾燥しやすい時期なので、潤肺作用の生薬や食べ物を選びます。生薬は麦門冬やなつめ、食べ物は、蓮根、白きくらげ、冬瓜、梨(生は×)とハチミツ、干し柿などです。

このような時に私がお勧めする、歴史のある漢方薬は瓊玉膏です。

「瓊玉膏」

「甘み」と少しの「苦み」を持つ、6種の生薬から作られた漢方の滋養強壮剤です。滋養成分が体内を巡って新陳代謝を盛んにし血行を良くします。さらに病後で体力が衰えているときや胃腸の働きが弱くなっている時に、穏やかに働きかけて体力の回復をうながし、健康な身体へと導いていきます。

効能・効果 次の場合の滋養強壮

食欲不振、肉体疲労、虚弱体質、病後の体力低下、胃腸虚弱、血色不良、冷え性、発育期

このような効果を期待できるものは他にもたくさんあります。しかしその中には本場の中国や韓国、ベトナムでは薬という扱いですが、日本では法律上健康食品という扱いのものもあり、効能効果はお伝え出来ないこともありますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。