方術信和会 夏の学術大会2024
昨日は昔から所属している日本漢方伝承の会「方術信和会 夏の学術大会」でした。
この会は日本古方漢方の重鎮、湯本求真先生に師事された荒木朴庵先生の弟子の集まりの会です。同門に大塚敬節先生、佐藤省吾先生、清水藤太郎先生がおられます。
この会とのご縁は父の代からで、私が学び始めて約25年になります。現在はこの会の学術担当の副会長であり、学術大会や漢方薬の製造実習、植物観察会の企画などを行っています。
毎年冬と夏に学術大会を行っていて、どのような内容にするのかいつも悩ましいです。一昔前の「師匠と弟子」「修行する」という考え方から時代は変化してきています。勉強の基本は「自分で勉強し理解する事」なので不変です。近年はデジタル化も進み、自分で簡単に調べることができるようになっていますが、医療現場での使われ方、実際に生薬を触って野山で観察する、どのような性質か肌で感じる、煎じる、味わう、作ってみる、使ってみる、など実践が欠けてしまっています。という事は「机上の空論」になりがちです。
漢方エキス剤はインスタントなので内容は全くわかりません。インスタントコーヒーや、インスタントのだしの素と同じですね。内容が書いてある字を読んで製造メーカーを信用するだけです。しかし、煎じ薬を自分でつくると、その植物の形や色、質の違い、充実度、性質がわかるばかりでなく、からだで覚えてしまいます。
そのほうが勉強も楽しいし、わかりやすいし、大切にするようになります。腕が上がればさらに困っている方達のお手伝いができます。そのため日本漢方を継承するためにお手伝いしています。
生薬は基原植物や産地やランクに違いがあり、保険医療とは違い価格も決められたものではありません。安いものは質の良いものはありませんが、高ければ良いというわけでもありません。
漢方薬をうまく使うためには膨大な勉強と時間が必要です。しかし、漢方が好きで仕事をしている方達は楽しんで薬草に触れています。こういう世界、特に東洋医学は腕の差が激しいのです。
もし漢方の相談をしたいのであれば、できれば煎じ薬を作っている薬局や医院にご相談ください。
としお
方術信和会はこちら