「つわり」に効く漢方薬ありますか?2000年前からあります。
妊娠中や授乳中に服用できる漢方薬はありますかと?よく質問されます。
2000年前に医学書としてかかれた金匱要略には、妊娠病編という妊娠中におこる病状のこと、たとえば流産、貧血、つわり、腹痛やむくみ、また安産の為の漢方薬も書かれています。これらは現代でも正しく使うと、よく効きます。その次には産後病編があり、そこには産後におこる症状が書かれています。
便秘、産後うつ、産後疲れ、貧血、などに対する処方がたくさん書かれています。妊娠中や授乳中では、漢方薬でも気をつけなければならないこと、やってはいけないことはありますが、現代の化学薬品とは違う面がありますので、漢方の専門家にご相談ください。
上記の乾姜人参半夏丸は、妊娠病編に書かれています。
「妊娠嘔吐不止乾姜人参半夏丸主之」
乾姜人参半夏丸方
乾姜 人参 各一両 半夏 一両
右三味末之以生姜汁糊為丸如梧子大飲服十丸日三服
「にんしん おうと やまざるは かんきょうにんじんはんげがん これをつかさどる」
かんきょうにんじんはんげがんのほう
かんきょう にんじん かく1りょう はんげ 1りょう
みぎのさんみ これをまつとし しょうきょうじるののりをもちい ごしだいのごとくにまるめ いんにてじゅうがんをふくす ひにさんぷく
妊娠中のつわりに使われる代表処方です。
効能効果
「体力中等度以下で、はきけ、嘔吐が続きみぞおちのつかえを感じるものの次の諸症:つわり、胃炎、胃腸虚弱」
つわりにはよく使いますが、保険医療にはありませんので、漢方を本気で学んでいる方でないとご存じない処方です。私の場合飲み過ぎてムカムカして食欲がない時に使います。治験例としては抗がん剤の吐き気にも使う時があります。この処方で改善が見られない場合は他にも処方がありますので、専門家にご相談ください。
先月、方術信和会の製剤実習でこの乾姜人参半夏丸の作成を企画して、朴庵塾セミナーの生徒さんと信和会会員のみんなで楽しく作りました。自分で作ると生薬の性質、本質がわかります。