「漢方の臨床」2025年4月号に掲載されました。「30年にわたる鎮痛剤の効かない下腹部痛」

1954年に創刊された漢方を継承する歴史ある学会誌「漢方の臨床」2025年4月号 第72巻 第4号に「30年にわたる鎮痛剤の効かない下腹部痛」原稿が掲載されました。漢方の臨床は「漢方家」と言われる漢方専門家のための学会誌なので内容がレベルが高く、引き締まる思いで原稿を書いています。漢方家とは漢方医、漢方薬剤師というよりも、真剣に漢方に向き合い、患者さんに向き合い治療している人たちの事なので、西洋医学を中心に追加で漢方という考えの方ではありません。
私も勉強不足なので、まだまだ漢方家と自分で言えるほどではありません。しかし今は亡き師匠には、日本漢方が絶えないように次の世代に伝えなさいと育てられ、生薬にこだわり、加工したり、野山へ薬草を観察に行ったり、煎じ薬を毎日作り、漢方を軸として患者さんに対応しているので少しは専門家に近づいていると感じています。(師匠には笑われるかもしれませんね)
今回の原稿は「30年にわたる鎮痛剤の効かない下腹部痛」に煎じ薬を処方し改善した経験です。長年漢方相談薬局をやっていると「なるほど、こんなことがあるんだ」と、びっくりすることがたまにあります。漢方の古典には、「治し方が間違ったのであれば、こう治しなさい」「この病気は治せない、亡くなるのみ」と厳しい事も書かれています。治せない病気の方が多いとも昔から言われています。
自然の力、人の力は想像以上であり、それを感じられない、理解できない、ということも多くあるが、レベルの高い人にはわかる。これは治せないという事も、治せるという事も判断できるように勉強しなさいとも古典(漢方医書)に書かれています。
2024年3月に、両親と私と共にお世話になった師匠の一人である、北茨城の田畑隆一郎先生がお亡くなりになり寂しいですが、先生のお言葉を心にとめて、今までの日本漢方という文化を継承していきたいと思います。
としお
