医王堂通信
としろぐ

韓国漢方(韓方)の研究 大邱薬令市生薬集荷場

2025.6.10

大邱薬令市韓医薬博物館の建物の1階が生薬の集荷場になっており、許可を得てみてきました。

陳皮でしょうね。陳とは古いという意味なので、フレッシュなみかんの皮ではありません。

葛根です。葛湯のくずは水に溶かし不純物をとってあるものなので白いですね。葛根はさらしていない葛の根です。筋だらけの根ですが、筋ばっている凝りをほぐす作用がります。葛根は肩こりに使われますね。

皮をむいた中国産の茯苓 結構立派なサイズです。う~ん質はどうかな 白茯苓よりは良いのかな。

この茯苓悪くはないけど、良くもありませんね。コルクっぽくないからいいけど粘りが少なそう。嚙んでみるとわかります。水に浮かぶようなものは× これはあくまでも日本的な見方の生薬の感想です。ソウルでも聞きましたが、中国産はね~と言ってましたが、どこの国でも自分の国よりも他国を良く言わない傾向にあるので、なんとも言えませんね。日本では和茯といって採る人ももういないので、普通は手に入りません。うちには一昔前に山で採ってきた貴重な和茯はありますが。

赤松の根に寄生する菌糸体、要するに地中にいるキノコです。松茸とは違いますよ。トリュフでもありませんので美味しそうと食べないように。

生薬の質の評価について

この生薬の質という評価は微妙なことがあります。日本で上質と言われる評価は日本だけという事も多くあります。それは中国や韓国も同じでしょう。それぞれの地域でその風土にあわせて変わっていくのが文化ですので、日本の生薬は中国産であっても日本用に加工され検査されて輸入されます。そのため、中国の上質の生薬が日本の漢方の世界では上質とは限りません。例えば日本にはお種人参、朝鮮人参、高麗人参といわれる人参が有名ですが、日本には自生していなかったため、日本で自生していて似ている日本固有種の竹節人参を代用としていたという歴史があります。

竹節人参とお種人参は葉は似ていますが、根の形はまるで違います。味は似ていますが竹節人参の方が苦みが強く、人参の補う作用よりも瀉する作用が強いと言わるため、柴胡加竜骨牡蠣湯、小柴胡湯、半夏瀉心湯に使われる傾向にありました。そのため、日本漢方を処方している先生は竹節人参を上手に使い分けますが、現代の中国医学である中医学ではあまり使われないと思います。(私の勉強不足でしたらすみません)

韓国漢方(韓方)の研究 大邱薬令市周辺の街並み

韓国漢方(韓方)の研究 永川韓医村

韓国漢方(韓方)の研究 大邱薬令市韓医薬博物館

韓国漢方(韓方)の研究 慶州 世界遺産