韓国漢方(韓方)の研究 永川韓医村

大邱から地下鉄とバスを乗り継ぎ約2時間弱、近くの永川市というところに永川韓医村があります。大邱から慶州へ観光に行った時に運転手さんから行ってみるといいよと紹介されました。ただし車で行く方が簡単で時間も短くて済みます。
永川韓医村
ここは韓方の歴史がわかる、比較的新しくてきれいなテーマパークでした。日本人は皆無でした。

入口

中に入ると建物が4~5件

それぞれ「医」「薬」「習」

「医」写真の右手で人が何かやっていますね。これは自分の写真をとり、問診に答えると、どういう体質か診断してくれてカードが出てきます。私は太陰人体質のようです。

腹診の模様

隣では薬草を調合しています

鍼灸の道具 日本の針より太いので、私は怖い


「薬」


先ほど「医」で診断してもらったカードをこの画面のところにいれると、その体質に必要な薬草が表示されます。

「太陰人の体質」の説明です。

処方箋ができました。

顔写真付きのカードです。なかなか面白いですね。


「薬研」丸薬を作るときに生薬をすり潰すために使いましたが、ゴロゴロ転がすのではなく、ひねってすり潰します。1トンもの力がかかると聞いています。

茯苓突きに似ていますが、森の中ではこういう器具があると非常に便利です。

百味箪笥・薬味箪笥

ここにもカードを入れる所がありました。これはゲームのようですが、自分で薬草を煎じるイメージです。



この建物は「習」学習、学びの場所です

右のところにカードを入れると、お勧めの薬膳が出てきます。左のはがき状のパンフレットがその料理の作り方が書かれています。もちろん「参鶏湯」もありました。中央は漢方実習のテーブルです

ここにも「瓊玉膏」がありました。

足湯

奥にある博物館 韓国医学の歴史

動物性生薬は昆虫やすっぽんも使われます。

綺麗な薬草の説明です

右はお馴染みの当帰 左はわかりませんでした

松は韓国でも大切にされています。「最も一般的で、最も重要な韓国の松」と書かれています。松は万能薬であると。松の実、松の葉、松の樹皮、松の樹脂、松の花粉、松の根



こちらはお薬の剤形について。「酒剤」は薬用酒です。「膏剤」これは日本ではほとんど知られていません。中国、韓国では皆さんご存じです。瓊玉膏の「膏」のことです

瓊玉膏と書かれていますが、美味しそうではありませんね。

「丸剤」これは丸薬。生薬を末としはちみつや生姜汁で練って丸くします。処方によって丸薬の大きさも指定があります。例えば桂枝茯苓丸は兎屎大(兎の糞くらいの大きさ)結構大きいです。粉の桂枝茯苓丸はインスタントですので、効き目はそれなりでしょう。

「散剤」これは私も作っている生薬を末にして混ぜたものです。右は五苓散(この色はありえない)左は生脈散です。

「湯剤」これは煎じ薬です。


これは大邱薬令市韓医薬博物館と同じで、診断法です。顔に症状が書いてあります。目に現れる、下に現れる、鼻に現れる、耳に現れる症状から、からだの状態を推察します。

韓国流体質分類法「太陽人」「少陽人」「少陰人」「太陰人」

親指と薬指の爪の付け根の現れかたで体質を見分ける方法。私は見事に当たりました。「太陰人」

これは5行論ですね。

ここは韓方エステ、マッサージでした



エステが小部屋になっていて素敵な建物でした

Cafeで雙和茶を頂きました。日本では生薬に医薬品が含まれるので、お茶としては作れないですね。国によって生薬の分類が違います。医薬品(専ら医薬品)として、食品として、どちらでもよい、とわかれており、韓国ではオミジャ(五味子)はお茶やジュース感覚ですが、日本では専ら医薬品になります。そのため、薬局のみの流通になります。
日本では漢方の文化が絶えてしまったと言われます。最近は漢方が流行っていますが、それはほんの一部であって表面上の流行に過ぎません。柔軟性がなくて悲しいです。
「日本流の漢方とは」これがはっきりしないことに発展はしないでしょう。