「紫雲膏」華岡青洲先生
「紫雲膏」それは世界的に有名なお医者様「華岡青洲先生」のお考えになられた処方です。
知る人ぞ知る私の父の師匠であった「海老塚吉次先生流・紫雲膏」です。
海老塚先生とは、私が小学生の頃両親に連れられ、毎月薬草採集に行っていました。その時に面白い薬草の話など、優しく接してくださったおじいちゃんが漢方の重鎮である海老塚吉次先生です。「菊水の一番搾り」をいつも美味しそうに飲んでいらっしゃいました。とてもなつかしい。
ごま油を加熱し蜜蝋を溶かし、当帰を入れてこげる前に取り出し、しばらくして紫根を入れて少したったら引き上げ冷やすと出来上がりです。そうすると紫根のきれいな赤色が出ます。この当帰や紫根は、化粧品にも美肌になるからといって最近配合されています。簡単そうですが温度調整と生薬を入れるタイミングが重要です。私は1時間半くらいで煎じて1日放冷します。

左がむらさきの根の紫根で鮮やかな赤色が特徴です。左が奈良県の当帰です。セリ科の植物の優しい甘い香りがして癒されます。
この軟膏は乾燥性の皮膚病や外傷にとてもよく効きます。特にオススメなのが「火傷」です。程度によりますが、西洋医学の療法よりもケロイドにもならずきれいに治ります。使い方は厚めにネルやリント布に塗り、湿布をするような感じで貼るのがコツです。「火傷」の後はすぐに水で冷やし、その後「紫雲膏」を貼ります。それでヒリヒリも減ってきますし、軽い火傷であれば跡もなくきれいになります。
そういう自分も小学校の頃に、昔は道端で缶で焚き火をしているときにふざけていたら足をその缶の中に入れてしまい、膝から下のすねの部分が25センチ位にわたり、火傷してしまいました。皮膚は溶けてしまいひどく痛かった事を覚えています。すぐに水で冷やし、それから「紫雲膏」をべっとり貼ると、しばらくするとずいぶん楽になりました。ただ熱を持ってくるとまた痛くなってくるので、すぐにまた貼り変えました。痛みは隣の部屋の人の足音が響いてくるほど痛かったですが、結構早くよくなり今は見てもほとんど分かりません。その後も跡が残らないように塗っていました。
そのほかにも色々使えます。「乾燥性のアトピー」「皮膚のカサカサ」「しもやけ」「手のひび」「あかぎれ」「いぼ」「キズ」「痔」「いぼ痔」「痔ろう」「乾燥性の水虫」「うおのめ」「とげ」
このようにジクジクしていない症状には色々使えます。
ちょっと変わった使い方としては、花粉症・アレルギー性鼻炎の時に鼻の中に塗るのです。意外と楽になります。馬油よりも血流をよくする効果は高いと思いますので。お勧めです。
私の父のことですが、半年前に雑巾を絞ったら中にちいさなガラスの破片があり、それが指に刺さりました。特に触らなければ痛くないので、父はほおっておいたのですがいつまでたっても出てこないし、「紫雲膏」を塗ってみたらどうかと思ったらしく、半年振りに貼ってみました。そうしたらなんと3日くらいで出てきたのです。これには驚きました。「紫雲膏」も「華岡青洲先生」もすごいですが、人間のからだもすごい力を持っているなぁと感心しました。

原材料は自然のものなので、使用方法で特に気をつける事はございませんが、あえて言うならばジクジクしている時と、赤くなっていて痒みがひどい時です。「紫雲膏」は血流をよくするために痒みのひどいところにつけると一時的に痒みが増す場合があります。そして、この軟膏はごま油とミツロウがベースなので、浸出液が多い場合は塗ることが難しい。まずは乾かさないと患部は治りにくいため、状況によりますが、たとえば亜鉛華の入っているような軟膏の後につけたり、混ぜたりするなど工夫が必要です。
漢方薬と一緒で、同じ「紫雲膏」でもメーカーによって質の差や製造工程でのこだわりに違いがあります。きれいな赤色で臭いがあまり臭すぎないものを選びましょう。漢方で有名なメーカーが質がよいとはかぎりませんので。漢方を勉強している薬剤師さんに相談して選びましょうね。
一家に一個あるととても便利です。ぜひお試しあれ。