医王堂通信
としろぐ

春は悪化しやすい季節

2007.4.7

悪化しやすい時期は人によってある程度違いますが、基本的には春は「木の芽時」といわれ慢性病は体の中から悪いものが出てきて、具合がよくない方が多い時期です。
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日本には四季がありますが、東洋医学では春は「肝」の季節です。春の訪れとともに肝の働きは活発になります。
そのため、うまく肝臓の気のコントロールが出来ないと、肩、首、頭部、顔面などからだの上部に、肝から生じた余分な熱気がこもるために「めまい」をはじめとする「のぼせ」「イライラ」「うつ症状」「花粉症」「頭痛」「肩こり」などの症状が現れやすいのです。
普段、神経科に通っているうつ傾向の方や、自律神経失調症、更年期障害、不眠で悩んでいる方から、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹などでお困りの方には春はあまり調子のよくない季節です。
アトピー性皮膚炎の方で顔に出来ている方は、春はのぼせやすいですし、熱が上に上るので痒みもひどいしつらい時期になります。
春は症状によって積極的に漢方処方を変更する場合もありますが、基本的にはじっとしてあまりちょこちょこと処方内容も変えたくない時期でもあります。それはなぜかというと、ただでさえアレルギー症状が悪化しやすく不安定な状況なので、何がきっかけで悪いのかどうかわかりにくいため、処方を選ぶのに迷子になりやすいからです。
長くお付き合いさせていただいている患者様であればだいたい把握しているので、症状の予想も出来ますし、処方も見当がつくのでいろいろ対応できますが、今の悪い時期である春に初めていらっしゃった場合はこちらも厳しいところなのです。