医王堂通信
としろぐ

お酒の飲み方(先人の知恵に学ぶ養生訓)

2023.3.17

難しい内容ですが、何となくわかると思います。簡単に言うと、「美味しいから、気持ちが良いからとお酒をガブガブと毎日飲んだり、運動もせずにストレス発散をお酒で解決するようになると、いつのまにかお酒がやめられなくなり気が狂ってしまい、身を亡ぼすから気をつけなさい。」ということです。宗教によってはお酒を禁止しています。未成年も禁止です。お酒は狂い水といって人を狂わせます。逆にお酒はからだを温めますのでお薬にもなります。少量のお酒で服用する八味丸や当帰芍薬散など漢方薬もあるくらいです。習慣性のあるものなど病みつきになってしまう物は要注意です。身の回りにもいろいろあるので気をつけましょう。私もお酒は好きな方なので気をつけています。昔はお酒で失敗もしました。

ミラグレーンや田七を飲むと酔いにくくなるので、酔わないように飲むのはいいのですが、酔いたい人はお酒を飲んだ後に飲むようにしましょう。酔うまで飲むと飲酒量が増えてしまいますのでご注意ください。なんでもほどほどが良いですね。としお

「お酒」先人の知恵に学ぶ養生訓

酒を飲には、各(おのおの)人によってよき程の節あり。少のめば益多く、多くのめば損多し。性謹厚なる人も、多飲を好めば、むさぼりてみぐるしく、平生の心を失ひ、乱に及ぶ。言行ともに狂せるがごとし。其平生とは似ず、身をかへり見慎むべし。若き時より早くかへり見て、みずから戒しめ、父兄もはやく子弟を戒むべし。久しくならへば性となる。くせになりては一生改まりがたし。生れ付て飲量すくなき人は、一二盞のめば、酔て気快く楽あり。多く飲む人と其楽同じ。多飲するは害多し。自楽天が詩に、「一飲一石の者。徒に多を以て貴しと為す。其の酩酊の時に及て。我与亦異ること無し。笑て謝す多飲の者。酒銭徒に自ら費す」といへるはむべ也。

凡そ酒はただ朝夕の飯後にのむべし。昼と夜と空腹に飲べからず。皆害あり。朝間空腹にのむは、殊更脾胃をやぶる。凡そ酒は夏冬ともに、冷飲熱飲に宣しからず。温酒をのむべし。熱飲は気昇る。冷飲は痰をあつめ、胃をそこなふ。丹渓は、酒は冷飲に宣しといへり。然れ共多くのむ人、冷飲すれば脾胃を損ず。少飲む人も、冷飲すれば、食気を滞らしむ。凡酒をのむは、其温気をかりて、陽気を助け、食滞をめぐらさんがため也。冷飲すれば二の益なし。温酒の陽を助け、気をめぐらすにしかず。

酒をあたため過して飪(にえばな)を失へると、或温めて時過、冷たると、二たびあたためて味の変じたると、皆脾胃をそこなふ。のむべからず。