医王堂通信
としろぐ

更年期障害と生理

2004.11.18

更年期障害とはどのような病気でしょうか?最近は男性にもあるといわれておりますが、一般的には女性に多く思い当たる症状です。要するに更年期の時期に起こる、さまざまな不快な症状です。では更年期という一生の中でも充実している時期に、なぜそのような症状が出るのでしょうか?
人の一生にはどなたでも波があります。それはリズムです。生きているもの、自然のものすべてにリズムがあります。「太陽と月」「夏と冬」「朝と夜」「高気圧と低気圧」「満潮と干潮」など自律神経失調症のところでも書きましたが、「陰と陽」のリズムが陰に偏ったり陽に偏ったり常にバランスを取っていて、そのバランスがさまざまな原因でくずれると病気になります。
女性には「月経」といって、だいたい28日周期で生理がきます。これは「月の経」と書くくらいで1ヶ月中の満月の頃に生理が来る方が多いと、しかし生理不順や生理痛が重い人も多いみたいです。生理の前後は女性ホルモンなどの変動があるために、下痢や便秘、生理痛や腰痛、不眠、イライラ、のぼせ、肩こり、口の渇き、嫌な汗、ホットフラッシュ、うつ、むくみ、吹き出物、大人ニキビ、などさまざまな症状がホルモンバランスが悪い方は起こります。これらの症状をよく考えると、そう。更年期障害の症状に似ていますね。
そこでこういう風に考えました。生理は1月の中での「血」の変化。「血」は漢方では「ケツ」と言って血液だけの事ではなく各種ホルモンなども含みます。更年期とは一生の中の生理のような時期と考えました。生理が長い人もいれば、短い人もいます。そう考えるとあまり不思議ではありませんし、なんとなく納得いくような気が致しませんか?
ということは30歳代の方でもありうる症状で、逆に60歳代でもありうるということです。若年性更年期障害という病名がありますが、なんとも微妙?な病名ですね。
そこで男性はどうかと申しますと、「血」の動きは女性よりも少ないために、この病名が付く事も少ないでしょう。しかし男性にも「血の病気」はありますし、更年期の頃はちょうど働き盛りから退職に向かっていく頃。お家のお子様もやっと成人。いままで一生懸命がんばってきてその疲れが出る頃。地位もそれなりになり微妙な頃でもあります。「気」の使いすぎや、自然の中で「気」蓄える事をしていないとストレスを溜め込み、それが血流を悪くしたり、悪い熱をもったりします。すると「血」に異常をきたし更年期の頃に出るおかしな症状。それが男性更年期障害ではないでしょうか。
男性で「血」の病気になる方は激しいスポーツをした人。筋肉痛や打撲、怪我は古血がたまります。漢方ではお血と言います。あとは野菜嫌いでお肉、乳製品が好きな人は余計に血が汚れます。
漢方薬には更年期障害に使う処方は特に「血」をきれいにする処方を多く使いますし、それらの処方は生理不順、生理痛、自律神経失調症にももちろん使います。更年期障害は特に漢方薬の得意分野です。血の病気は血液が入れ替わるのに120日と言われているため約4ヶ月が最低の目安ですが、軽い更年期の場合は早い人で1ヶ月もかからずに楽になる事もありました。ご相談ください。