医王堂通信
としろぐ

水分の摂り方「むくみ」「冷え」

2005.2.1

水分はどれくらい飲んだらいいのでしょう?
最近テレビや雑誌、お医者さんまでも「水を飲め!血液がサラサラになるから!1日2リットルは飲みなさい。」なんてよく言っています。これは本当に正しいのでしょうか?
答えは「正しい」ですが、矛盾していますが「正しくありません」
どういうことかと申しますと、人間に一番必要なものは体の70%をしめる水分ですが、「のども渇いていないのに飲むこと」が本当に必要なのでしょうか?1日2リットルというのは人間が何もしないで生きているだけで体から失われる水分のことです。当然、水分は「摂らなければ」なりません。しかしよく考えてみましょう。まず三食、普通の食事が取れていれば食事には最低でも約1リットルは水分が含まれています。野菜の90%、肉の70%は水分です。残りは1リットルです。昔から言われている毎食後のお茶3杯とおやつ時の1杯で約1リットルは満たしています。「2リットル飲まなければ」ではなく「2リットル摂らなければ」です。ガブガブ飲み物を過剰に飲んでいれば、いくら温かい飲み物でもカラダが水浸しになりますので、「むくみ」や「冷え」もあたりまえです。
「のどが渇いたら飲む」はごく普通のことですが、のどが渇いていないのに無理に飲んで健康になるのでしょうか?寝る前に冷たい水を1杯飲めば血液サラサラでも、夜トイレに行く回数が増えて転んで怪我でもしたら目も当てられません。テレビで言っていることを丸呑みにすると病気になります。個人差がありますので、自分の身体と相談しましょう。
水分の飲みすぎは西洋医学ではあまりうるさく言いませんが、漢方医学では「水毒」といって水分過剰は病気のもとになると警告しています。代謝の低い方は余分な水分を出しにくいため「むくみ」、そして体が水っぽいので「冷え」ます。水分を出すのも心臓や腎臓の仕事で、必要以上に水分が入ってくれば負担になります。
水分を過剰に摂っておしっこを出すように考えるよりも、カラダを動かすようにして、呼吸や汗、又はおしっこを出るようにすると喉が渇きますので、水分を補給するという循環が大事なのではないでしょうか?水もカラダに溜まればどんどん汚れます。溜めないようにする事はとても大事なことだと思います。
ただし注意しなければならないことがあります。それは小さなお子様とご老人です。脱水による死亡も多いので気をつけなければいけません。ご老人は特に保水が出来にくくなっているので水分が減ると脱水状態になりやすく、すぐに意識不明になってしまいます。ご老人の場合は寝たきりや、身体の痛み、お薬の影響、運動量の低下による食欲低下、下痢、発熱なども関係します。
また普段と違う事があって食事量が減ると、食事からの水分量が減りますので、そういう時は意識的に水分補給も大事になります。あとは痴呆症などで、喉が渇いたことをご自分で認識されないような病状のかたは気をつけるべきでしょう。ここ数年お客様に「どれくらい水を飲めばいいのですか?」と質問されます。健康な方には「ご自分の身体に聞いてください。」とお話しさせて頂いております。
この世の中で、喉も渇いていないのに健康のために水分を摂る動物がいるでしょうか?
便通をスッキリさせる
☆質の良い水を摂るようにする
☆食後のお茶以外飲み物はのどが渇いたら飲む
☆冷たい飲み物より少しでも温かいものを飲む
☆緊急時は水分に塩分が必要。