医王堂通信
としろぐ

アトピー性皮膚炎

2004.11.11

15歳の頃。
皮膚が痒い。顔や手足の内側の柔らかいところにカユカユができました。
「アトピー性皮膚炎」です。当時はアトピーという病名が少しづつみんなが知り始めた頃で、ステロイドの副作用なども、あまり一般的ではない頃でした。
中3から高2くらいまで顔にも出来ていて、思春期のため電車に乗る事も嫌でしたので、ステロイドを長く使い悪循環になり、その後リバウンドも経験しました。鏡が見れない。
見たくない。口の周りがぐちゃぐちゃ。浸出液もたくさん出るし、痒いし、痛いし、赤いし、皮はべろべろ剥けるし。つらい日々でした。
高校受験が近づくと、疲れやストレスのせいで悪化と改善の繰り返しでした。
なんとか大学に受かり、大学に在学中は埼玉に一人住まいでしたが、食生活や、夜更かし等の不摂生で顔中が真っ赤で、ひどかったです。
おまけにスキー部に入っていたので、飲み会に行くたびに悪化していました。
ただ、学校が休みで実家に帰ってきて、母親の食事を数回食べるとそれだけで改善されたのを覚えています。
ある先生に、「お墓参りに行ってお経を読んできなさい」と言われ、新幹線で大阪まで飛んで行きました。その帰りに、赤みが多少減ったことも経験しました。
それから大学を卒業し、家に帰ってきて、お店の手伝いをしていた頃から漢方薬に興味を持ち始め勉強するようになりました。
アトピーとは今でも縁は切れません。普段はほとんど軟膏などはつけていませんが、悪くなる時があります。
それはどういう時かと申しますと、「自分の器」以上に働き過ぎたり(疲れ)、気を使い過ぎたり(ストレス)した後、しばらく時間がたってからです。要するに無理をした後です。
厄介なことにこの病気は、その時は忙しくて、体力や頭の中がパツパツの時でも急にひどくならず、徐々に悪くなってきた頃に無理していて危ないなと思った時にはもう遅く、疲れやストレスが蓄積していてあわてて休むようにしても、悪化していきます。
このように無理をした後になって目に見えて悪くなってくるような病気は、アトピーのみではなくいろいろな慢性病がそうです。
それでアトピーの人は気を付けないと、受験、就職、結婚、出産などでまた悪化する事もあるのです。
アトピーになる人は呼吸器、お腹、皮膚が他の臓器よりも弱い人が多く、汗を発散する事もストレス発散も下手です。性格も神経質で細かい方が多いので、ストレスにはあまり強くなく、過度にストレスがかかると痒みが増す事はご存知でしょう。
今まで使った漢方処方は数え切れないくらいありますし、その他の良いと言われる物もそうとう使いました。軟膏も自分で混ぜてみたり、どのローションが良いとか、浸出液が出ているところは、水分をよく吸収する軟膏を多めに混ぜたり、乾燥のしている部分には潤して皮膚を守る成分を多めにとか、ある意味自分が実験台なので色々やってみました。
アトピーに良いものは確かにあり、西洋薬では難しいアトピーも何のそのくらい改善する場合も多いですが、なにぶん簡単な病気ではないので時間がかかるのと、前にこの漢方処方で良くなったからといって、次回同じ漢方処方で治るかというと、そうは簡単にいきません。
しかし、漢方薬や他の補助剤や栄養分などをうまく合わせていくと、よくなる病気ですので、あきらめる事はないと思っています。

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