医王堂通信
としろぐ

アトピー性皮膚炎、かゆみは治るか?

2007.1.9

アトピー性皮膚炎の定義は繰り返すこととあります。漢方薬で体質改善というセリフをよく聞きますが、アトピー性皮膚炎にならないからだには出来ないでしょう。体質改善は自分は無理だと思っているからです。体質とはその人の弱点であり、特徴でもあり、性格でもあるので、ある程度丈夫にしたりすることは可能でしょうが、弱いところがないからだは出来ないと思います。
しかし、自分の弱点を病気になったことで理解すれば、これから気をつけることが出来るので「自分の器」以上に無理をしなければ皮膚病や、他の病気はならないですむと思います。
お店で患者様と接していて、アトピー性皮膚炎や湿疹などよくなる場合も多いですが、前にも書いたように他の病気よりも難しいと思います。それに、手ごたえがわかるまで時間がかかることが多いので、根気よく続けることも大変でしょう。
自然薬の漢方薬などを基本に使いながら、西洋薬の不自然さをうまく利用すると早く楽になると思います。アトピー体質などのかゆみでなければ、数ヶ月でよくなるでしょうが、アトピー性のかゆみですと、病気の根が深いので、普通は数年かかりますよとお話させていただいております。
アトピー性皮膚炎の方のなかには、若い女性も多いのですが、「夏にビキニを着たいから気合で治すので、何でも飲むからなんとかしてください」という方が、数年前にいらっしゃいました。当時23歳だったと思いますが、とにかく良いということは全てするし、頑張ると気合充分でした。その方には漢方処方と、生理関係が不調だったので、プラセンタという胎盤エキスを使いましたが、全身痒かったのが、約2ヶ月でほぼ改善しました。
その方は、それで処方もやめましたが、2年後にまたいらっしゃいました。仕事が忙しく、おまけに引越しもしたら疲れきってしまいまた痒くなってきたと。そこで同じ処方を2か月分お持ちになり、からだを休めて、早寝早起きをして治ったようです。
このような短期の例は非常に少ないです。程度にもよりますが、漢方薬を服用しなくてすむようになるのには、最短でも1年くらいはかかると思ってくださいとお話しております。