医王堂通信
としろぐ

突発性難聴

2005.1.5

32歳の年末。
今でも思い出します。12月25日。クリスマスでした。
このサイトを管理していただいている友人に、とても美味しいシャンパンをクリスマスプレゼントとして頂きました。(有難うございます。)程よく酔い、ついつい夜更かしをしました。
次の日の朝起きたら。。。。。(シャンパンのせいではありません。)
???ん???右の耳が聞こえないような。。。なんじゃ?どうしたんだろう??
もともと耳の穴が小さく、詰まりやすかったりということは以前からありましたが、今回はちょっと違うような気がしました。その聞こえない状態が尋常ではないため、急いで近くの大学病院へ車で行きました。その時に耳がいかに大事な役目を果たしてくれているかつくづく思いました。運転するのが危なくてしょうがないのです。方向感覚も麻痺ぎみで、どこから車や障害物が来るのかわからない状態になってしまいました。
病院に到着し早速検査をしていただきました。聴力検査室は防音で、入ったとたんに右耳がぜんぜん聞こえない事に気がつき、ものすごく気持ちが悪く違和感がありました。検査はそれぞれの耳にヘッドホンをして音が聞こえた時点でボタンを押す検査でした。一種の早押しゲームのような感じです。結果は右耳が左耳に比べて聴力がずいぶん落ちていました。
病名は「突発性難聴」でした。原因はなんでしょうか?とお聞きしましたら、「先生に無理していませんか?」と聞かれ、年末なのでお店も忙しくおまけに色々な勉強会の役員をやっていて休めなかったり、忘年会が多くいっぱいいっぱいで、とても無理をしていた自分に気がつきました。しかしこの「突発性難聴」は疲れやストレスから来る事が多いのは分かっていても本当の原因はあまり解明されていないようです。この病気は「1週間が勝負です。それで変化が無ければもしかしたら一生聞こえないかもしれません」と先生に言われました。しかも年末で病院がやっているのはあと2日しかなく、2日後に多少なりとも良くなっていなければ入院してくださいと言われました。今年は年始に家族旅行があるのにどうしよう。。なんとかしなければ。。
さあこれは大変だぞ。
「突発性難聴」に対し西洋医学で使うお薬は、ステロイド剤や耳の血流を良くするお薬です。東洋医学では、耳は腎臓と兄弟の臓器として考え、「突発性難聴」「難聴」は腎臓を標的にしたお薬を選びます。このように自分で考えた煎じ薬と、疲れていては病気も治らないため、エネルギーを上げるためと、炎症と耳のために馬の心臓の錠剤(桜精)、牛黄(牛の胆石)、鹿茸(鹿の角)を併用しました。それと近くの鍼灸の先生に脈診していただき、針とお灸をすえていただきました。鍼灸の先生に「からだのわりに無理しすぎです」とまたまた言われてしまいました。(これもお灸をすえていただきました。)それでゆっくり寝ました。
次の日に病院に行きまして検査していただいたところ、良くはないが一昨日ほどではないとのことで入院はなんとか免れました。それから約10日で病院のお薬も無くなり、症状もずいぶん軽くなりました。
その後2~3ヶ月は漢方薬を飲みました。ほぼ検査の数値に出ない程度になりましたがなんとなく変な感じが残っていたからです。現在はもう気になりませんが、ひどく疲れたり、無理をし続けるとたまに耳が聞こえづらいような感じがあります。危険信号ですね。特に年末は気をつけております。
最近は「突発性難聴」は若い方に特に多いらしいです。最近の忙しさや日本人特有のまじめさ?ゆったりとしていない生活のせいですかね。やはりバランスを考えて自然に、良い意味で動物的に生きるべきだと思いました。やはりからだが資本ですね。病気だとご馳走も美味しくないし、良い仕事もできず、検査づくめや、お薬をたくさん飲みながらの病院通いの生活は誰でも嫌ですものね。五体満足に感謝しましょうね。
39歳の春。