医王堂通信
としろぐ

腸閉塞 再び その2

2008.6.17

ここから闘病記の始まりです。消化器内科にはこばれ、点滴だけで水も食べ物も一切口にしてはいけないということになりました。点滴だけで大丈夫なのは14日間くらいだそうで、それでもお腹が通じない場合は外科に任せるとの事。(=手術)しかし手術するとそこが癒着し、その後の腸閉塞の危険率がこれまで以上に上がってしまう。そこで内科的に鼻からチューブを胃の中に入れ、つまった内容物がチューブから出てくれば小腸内の圧が下がり楽になるでしょうと。
約二日鼻からチューブを入れていたが少ししか内容物が出てきませんでした。「仕方が無いからイレウス管を使うか。。。ちょっとつらいよ」と先生がおっしゃいました。「??なに??ちょっとつらいよ?どんな事するの?」もうちょっと長く太い管を鼻から入れるらしい。しかし手術するよりもましか。。。この時点で吐き気は少しだけ。痛みは激しくはない。しかしあらためて見ると、いつもは凹んでいるお腹がポンポンに膨らんでいました。
イレウス管とは、どんな事をするかと非常に緊張しました。それはレントゲンで写しながら鼻から内視鏡を食道から胃、十二指腸を通り過ぎて小腸まで入れて、ガイドラインを残しそのガイドラインにそってイレウス管を入れていくという手の込んだ作業でした。もちろん口からの内視鏡よりも楽ということでしたが、胃から十二指腸を過ぎて小腸までなので約30分苦しい作業でした。
そしてイレウス管の先にはバルーンが付いており、小腸の蠕動運動でイレウス管が運ばれて、うまくいけば進んでいくそうです。イレウス管は吸引する機械とつながれているため、1日に7Lも出るという小腸液を吸い上げて、小腸の閉塞しているところまで進んでくれれば、内圧が減って腹痛も減り開通するだろうということでした。
小腸の蠕動で進んでいくためにはたるみがなければなりません。そこで胃の辺りに30cmほど長くたるませていました。鼻と咽の奥にチューブがあたり気持ち悪いのに耐えながら、次の日、またレントゲンでどの程度進んでいるかチェックします。
だんだん小腸液(緑色)が吸引されいい感じですね。と言われて嬉しかったです。ところが、レントゲンではいまいち進んでいないようとの先生の声にがっくり。少し引っ張ってみたらクルリンと動き、またたるませて入れて、様子をみる事に。次の日、またいまいち進んでないようですと。「げげっ!」他の先生からのコメントがあり、腸内の内圧が高すぎて鼻からのチューブでは細すぎて跳ね返されてしまうのではないだろうか?と。
ということは。。。。今までのを一度抜いて、今度は口からもっと太い内視鏡で入れることに。見るからに太い。鼻の内視鏡は小指よりも細い。しかし口からのは人差し指くらい。またこれからしばらくは鼻にチューブを入れっぱなしなので、鼻のイレウス管を一度抜いた時にちょっと一休みさせていただきました。「はぁースッキリ!このままでいたい。。」そして軽い麻酔のようなものを点滴に入れていただいて、ゲェゲェしながら口から内視鏡をいれて無事にイレウス管が深く入りました。
その後、徐々に小腸液も抜け順調に少しずつ進んでいきました。毎日鼻のチューブを30cmほど胃の中でたるませる為に押し込む。数回やっても慣れるものではありません。「つらい。」しかしその頃には、おかげさまでお腹の張りもだんだん減ってきて楽になってきました。点滴の腕の部分も痛くなり、場所を数回変えて頂きました。それと毎日の腹部レントゲンと採血。注射が苦手な小心者の自分は毎朝震え上がっていました。
点滴は水分と栄養分と抗生剤。抗生剤は腸閉塞になると腸内細菌が異常増殖するらしいので、その対策のようでした。夜は咽にあたるチューブが痛くて眠れない日がありましたが、痛み止めでグッスリ眠れました。
イレウス管を入れなおして、3日目あたり。レントゲンで見ると、なぜか小腸が左右反転しているように場所が変っていました。これには先生もどうしたんだろうね?と。造影剤を入れても戻ってきてしまう。そんなこともありながら、ちゃくちゃくと先に進んでいきました。数日後、またレントゲンで撮影しながら先生が小腸内チェック。お腹の動きが悪いな。でも通ってそうだよ。とうれしいコメントを頂きました。その後、造影剤のような液体の下痢がでました。
腸閉塞 再び その3