医王堂通信
としろぐ

「快便」ですか?

2007.12.10

どんな病気を治すにも大事なことがあります。それはからだの中の風通しが良くなっているかどうか?という事。東洋医学では風通しがよくないのは病気、または病気になる前兆と考えます。
これはどういうことかと申しますと、「快食」・「快眠」・「快便」であるかということです。
1.ご飯が美味しいですか?(快食)
2.グッスリ眠れますか?(快眠)
3.うんちが「毎日」「スッキリ」出ていますか?(快便)
この三つのうち一つでも欠けていると、からだの風通しがわるくなり、バランスが取りにくくなります。勿論かゆみにもよくありません。毎日バナナの様なうんちがストンとスッキリと出ないと、食事も美味しく食べられませんし、お腹の中が軽くないとグッスリと寝られません。便は2キロ~3キロあるといわれるように、お腹が重くなるため腰に負担がかかり、腰痛で悩む方もいらっしゃるでしょう。昔からお腹がしっかりしていないとお腹に力が入らないからダメと言われている事は周知のとおりです。
漢方薬を一生懸命飲んで病気と戦っていても、便通が悪ければうまくいきません。便秘でも下痢でも、毎日ストンとスッキリと出ていないとだめです。アトピーが良くなった人で、その後便通が最近悪いなと思ったら、また痒くなってきた経験があるのではないでしょうか?
東洋医学では「腸」「肺」「皮膚」は同じ臓器と考えます。西洋医学的に考えますと「内科」「呼吸器科」「皮膚科」にかかると思いますが、東洋医学ですと1つの場所。全て同じ「粘膜」とするので、皮膚病でも外から塗ったりするだけでなく、お腹や呼吸器の病気として漢方薬を飲んで治そうとすることが多いです。もちろん他の臓器からの影響も考えなければいけません。
お腹には100兆の腸内細菌が住んでおり、人の細胞(約60兆)よりも多く、重さは約1.5キロもあるそうです。腸内には悪玉菌と善玉菌(ビフィズス菌など)がいて、これらの勢力争いが常に行われています。朝食を食べない、肉食中心の食事やファーストフード、インスタント食品、パンが多いなど、食生活のバランスがよくないと、悪玉菌が増えて、便秘したり下痢したり有害物質などを出して悪さをします。善玉菌がバランスよくいると、食べ物の消化や吸収、解毒をうまく手伝ってくれるため体調もいいはずです。
腸内細菌も生き物なので、温度も大事です。お腹が冷えているとうまく働いてくれませんので、冷たい食べ物、飲み物を減らして腸内細菌を大事にしましょう。生姜や葱などはとてもお腹を温めてくれます。
快便と良いうんちとは?
◎色・・・・黄金色
◎匂い・・・きつくない匂い
◎量・・・・バナナ2本
◎形・・・・バナナ状でツルン
◎硬さ・・・お味噌くらい、水に浮かぶ
◎出かた・・「毎日」りきまないで座ってストン、トイレットペーパーに付かない
快便にはビフィズス菌を積極的に摂るだけではたりません。うんちの材料になり、しかも腸を掃除してくれる「食物繊維」が必要です。腸内細菌は食物繊維が少ないと上手く働いてくれません。しかも腸内細菌も大事ですが腸壁の環境も非常に大事です。腸の面積はテニスコート1.5面分の面積があり、がん細胞やインフルエンザウイルスを攻撃する免疫に関する細胞が、全身の70%も腸管に集まっているそうです。お腹とトイレは一番汚れやすいところなので、毎日キレイに掃除しましょう。
お腹のお掃除は食物繊維しかできません。しかも食物繊維は余分な糖分や脂肪分を包んで出し、水分を含んで程よい硬さのうんちを作る元であり、うんちの匂いも減らし、水に浮かぶようになります。
現在厚生労働省は、1日の食物繊維量を成人で約20gを目標にしています。しかし現実は5g~10gも少ないといわれ、ひどい人は15gも不足している場合があるようです。戦後、裕福になりお米を主食としない食事の「欧米化」が進んだ影響もあり、便秘薬の売れ行きが十数倍とも言われています。
おなかの中が汚かったら皮膚も汚いはずですよ。便通がよくなるといろいろな不調が少しでも減るはずです。アトピー性皮膚炎、痒みに苦しんでいる方は、生活や食事のバランスが悪い方が多く見られます。養生をして「快食」「快眠」「快便」を目指しましょう。そこでどうしても食事の改善が出来ない人は、初めてサプリメントを飲みましょう。
サプリメントも合成のビタミン剤(不自然)などではなく、なるべく自然のもので、自然の状態になるべく近いもの、食事に近いものが理想です。探すといいものはあります。サプリメントもなるべく専門家に相談して選びましょう。