医王堂通信
としろぐ

慢性疲労性症候群

2005.8.18

慢性疲労症候群は、西洋医学ではいろいろな説が言われていますが、はっきりとした原因は未だ不明のようです。いろいろなサイトにも補中益気湯とビタミン剤でほとんどよくなるとか、書かれておりますがいかがでしょうか?自分の経験から申しますと、そんなに簡単に解決できるような症状ではないと思います。ただ治らない病気とも思いません。よくするのには時間がかかると言う事です。
体力的なことや、精神的なこと、もしくは両方とも長い間、無理をしていませんでしたか?
自分が考えるには、この病気は突然なるような病気ではないと思います。アトピーなども似たように発症いたしますが、ちょっとした無理や、ストレスを解決せずにずーっと押し殺して溜め込んでいると、いつか破綻します。何事も頑張りすぎたり、息抜きもせずにまっしぐらにやりすぎたりすると、自分の器では足りなくなり器にひびがはいります。ストレスや疲れもチョコチョコうまく捨てられていればそんなに溜まりませんが、ストレス発散が下手な人や、責任感が強い人、趣味が少ない人、まじめな人などは全身で良い事も悪い事も引き受けてしまい、いっぱいいっぱいになって破綻してしまうのです。
ギリギリで無理して何とか自転車操業でやっている時に、さらに仕事が忙しくなったりすれば今までのつけが一気にからだにきます。その他きっかけとしては風邪が引き金になることもあります。風邪は昔から万病の元と言われているように、疲れてて弱っているところに風邪をひき、こじらせて長引いてそのまま1ヶ月も2ヶ月も微熱が続く。この辺の症状は慢性疲労症候群にどこか似ていませんか?
微熱、だるい、節々が痛い、皮膚がざわざわする、力が出ない、喉がいたい、頭痛、不眠、過眠。このような症状は西洋医学ではなかなか難しいと思いますが、漢方相談薬局ですと意外とよく聞く症状です。入院しないといけないような場合を除いては、解決できると思います。漢方医学の古書の「傷寒論・きんき要略」にはこれらの症状が昔の言葉で書かれています。この古書にはその症状に対する漢方薬が載っています。この症状にはこの処方を使いなさい。そうすれば良くなりますと。
ただ前にも書いたように長く無理をした結果の症状なので、漢方煎じ薬を飲んですぐに効くとか、すぐにしゃきっとする事は難しいです。この病気は自分自身でなって感じましたが、今の症状に適切な漢方煎じ薬処方と、エネルギーを増すアミノ酸や牛黄など、漢方薬をサポートするような自然薬を併用すると、改善も速いように感じました。
この病気の時は普通の疲れではないので、一般的に疲れに良いとされるようなビタミン剤や栄養剤では効果はあまり効き目は感じられません。医薬品メーカーさんは良いといっても実際にはそうは簡単にいきません。自分も色々なものを服用しましたが、つらくて困っている時に飲むと楽になったお薬は、上質の牛黄を含め数種類しかありませんでした。なかなか難しいものです。
自分が慢性疲労症候群になったときは微熱が1年半ありました。復活するのに2年はかかりました。でもいい勉強になりました。こういう病気は人から見てもわかりません。病院に行ってもわかりません。自分もわからず、不安なはずです。不安もずーっと続いていつも不安不安、つらいつらいと言っているところを、他人から見たら「うつ病」だとか、「気のせい」だとか、「やる気が無いだけ」とか、「甘えている」とか思われてしまうのもしょうがありません。病気はなった人にしかわかりません。健康な人であればなおさらわかってもらうこと自体が無理なのではないでしょうか?