医王堂通信
としろぐ

漢方薬は効くでしょうか?

2007.1.9

はたして漢方薬はアトピー性皮膚炎やかゆみに対して効果があるのか?
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自分は間違いなく効果があると思います。東洋医学は呪いでも迷信でもありません。漢方薬は立派な医学に基づいた医薬品です。実際に自分も経験していますし、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹や、湿疹などのかゆみの患者さんに服用していただいて、じゅうぶん手ごたえがあるからです。しかしそれも100%ではありません。
アトピー性皮膚炎や湿疹などの痒い病気は、他の病気よりも特に「気持ち」「考え方」が深く関係しているように思います。ほとんどの病気が「気持ち」、要するに精神的なことが関係しますが、かゆみの病気は特に深いでしょう。
こういう理由で、ちゃんとお会いして、じっくり話をして処方を考える事が大事なのです。病気に原因がない事などありません。必ず理由があるはずです。
患者さんと話していて、この人は「神経質すぎて」とか、昔「いじめ」にあってその頃の事がトラウマになっているとか、会社での「ストレス」だとか、女性であれば「生理不順や生理痛」要するに「血液の汚れ」だとか、「更年期」だとか、「お腹や呼吸器が弱い」「下痢や便秘がち」だとか、皮膚と関連した症状があれば、それらに目標を定めていけばきっと良くなるからです。
精神的なことや、神経質、アレルギー(異物に対する過剰反応・拒否反応)などは鎮静や、緊張を緩める処方を使えば、リラックスできるし、かゆみも減るでしょう。
生理関係の婦人科、血液の汚れの症状であれば、まず処方で血液を浄化していけば、へんな熱や火照り感がへればかゆみも楽になるでしょう。
便秘や下痢も粘膜のトラブルですので、お腹を温めたりしてバランスをとれば粘膜が丈夫になり、皮膚もしっかりしてくるでしょう。
ただ、こういう原因や理由が、はっきりせずにわかりにくい人が、なかにはいらっしゃいます。そういう方は処方を選ぶのが難しくなるので、良くなるにも時間がかかります。なんとか早く楽になって頂きたいのですが。。痒い病気は難しいものです。