医王堂通信
としろぐ

2味(2種類)の薬徴という考え

2017.4.7

生薬はそのものの性格、性質も重要ですが、2味の薬徴といって、生薬が2種類組み合わさると1つ1つの効能効果が、足し算(1+1=2)ではなくそれ以上の力を発揮する(1+1=3)という特徴があります。
これは奥深いことですが、いろいろな漢方薬を分解してみると、薬草にはいつも一緒で仲の良い組み合わせがある事がわかってきます。
これは毎日生薬を自分の手で調剤し、混ぜていると勝手にわかってくる事です。
例えば「生姜とナツメ」「シナモンと甘草」「当帰と川芎」「地黄とお酒」
漢方薬は数種類の薬草が配合されていますが、その比率も絶妙です。意味があるんです。深いんです。簡単にはわからないんです。
1つ1つの薬草の役割を学んだ上で、2つの薬草の相乗効果をみてみると、なるほどとわかりやすく感じます。
漢方薬は調味料でもあり、七味唐辛子を例にとっても大事なのは、薬味の組み合わせと、そのバランスだなとご理解いただけると思います。料理と一緒ですね。
この考えかたを論文発表し本にした先生が、現在の私の先生です。
医王堂薬局初代である父、飯田一夫と同じ年で、両親も私も大変お世話になりました。
「傷寒論の謎・二味の薬徴」田畑隆一郎先生 たばた関本薬局
漢方を学ぶ人は一度お読みになるとよいでしょう。
医療者向けではなく、もっと気軽に読める本もあります。
「漢方  第三の医学 健康への招待」田畑隆一郎先生
としお