医王堂通信
としろぐ

姿勢を正す。

2022.12.7

こんにちは。お変わりなくお過ごしでしょうか。

青葉台商店街の銀杏並木の紅葉もそろそろ終わり、歩道の落ち葉の掃き掃除が大変になってきました。寒さも厳しくなり身体も心も萎縮してしまいます。今読んでいる漢方の大家の本に姿勢のことが書かれていました。一部を掲載します。

「姿勢の肉体的健康に及ぼす影響」

できるだけ背を丸め、顎をなるべく前に出して、深呼吸をすると、非常に息苦しくて、ほとんど肺尖(鎖骨のくぼみ)だけで呼吸するようになる。次に尻をうしろへ引き、腰仙関節(尾てい骨の上10㎝位)を最大限に強く前へ突き出すと、腰仙部の筋肉が緊張し、肛門がしまり、臍下丹田(せいかたんでん)に力がみなぎる。次いで顎を引いて項背部をのばし、肩の力を抜いて落とすと、胸が張り、横隔膜が下がる。こういう姿勢では呼吸が楽で、全肺呼吸、腹式呼吸となり、さきほどの肺尖呼吸にくらべて、三分の一の呼吸エネルギーで三倍のガス交換ができ、炭酸ガスの排除と酸素の吸入が充分になるので、それだけ血液中の炭酸の濃度が薄くなって、アルカリ性の度合を強めることになる。呼吸は生まれてから死ぬまで絶えまなく続けられるものだけに、姿勢ひとつで血液のPHや呼吸の効率まで左右されるとすれば、軽々しく見過ごせない問題である。

また正しい姿勢では、頭の重心、胴の重心も同一線上にあって、それが脚の線にまっすぐにつながり、背骨はいちばん負担が少なく、最も自然で、疲れにくい。

いちばん多く見られる悪い前屈の姿勢では、顎と肩を前に出し、背中を丸くし、腹を凹まして力が入らず、呼吸器・心臓・腹部の神経叢が圧迫され、背骨は不正形になり、重心が前方へかかって安定性を欠くので、疲れやすく、動作の妙を欠くことになる。

たとえば体重70㎏の人の第四腰椎にかかる重量は、面積の狭い椎骨にそのほとんどの重量がかかるので、寝ているときが25㎏、直立しているときが100㎏、体を20度前屈しただけで150㎏になる。椅子に腰掛けた姿勢では、腰の負担は案外に大きくて130㎏、腰掛けて20㎏の物を持ち、20度前屈したときは270㎏の力が加わる。したがって、姿勢が悪いというだけで、この部分の過労を招きやすい。また腰椎部の前屈姿勢は、頸椎や胸椎の前屈や、足の第五趾への重心過重によってバランスを保とうとする。こうなると、慢性的に無理のかかった脊椎部の筋肉は凝固萎縮して、そこから出る脊髄神経を圧迫し、その支配する臓器の機能低下や病的状態を招きやすくする。

このように、姿勢の異常はスポーツ・歌舞その他一切の挙手投足を、当を得たものにしにくくする。その一例を音声にとってみると、悪い姿勢では腹から声が出ずに、上ずった咽喉声とならざるを得ない。とすれば、姿勢の良し悪しには芸術の価値をも左右する要素が含まれているとも言えるであろう。

「姿勢の精神に及ぼす影響」姿勢とこころ

ふさぎこんでいるときに良い姿勢をしていることはまずない。 逆に良い姿勢ではふさぎこめないのである。 俳優は種々の心境のポーズを研究して活用している。

姿勢が悪いと精神が発揚されず、また精神が発揚されないと姿勢が悪くなるという相関関係がある。精神が発揚されていないときには、物事に倦(あ)きやすく、伸欠(あくび)が出やすく、疲れやすく、精神エネルギーの消耗が多く、しかも仕事の能率とできばえが悪い。こういう状態ではまた神経過敏となり、わずかの感覚刺激や感情衝動でも、ことにそれが消極的なものだと、よりいっそう大袈裟に中枢へ伝達されやすい。また、悪い姿勢で緊張すると、のぼせやすく、不測の事態に直面しては狼狽したり、腰を抜かしたり、時には失神することにもなりかねない。すなわち一挙に精神エネルギーの消耗を招きやすいのである。 「自然治癒力を活かせ」小倉重成先生著より引用

コロナが流行し姿勢が悪くなった方が多くみられます。充実した毎日を送るために来年は姿勢を意識してみましょう。

昔の漢方の先生の本には生き方について厳しいことがたくさん書いてあります。(泣)またご紹介いたしますのでお楽しみに。