医王堂通信
としろぐ

にっけい「桂皮」

2005.4.7

にっけい(クスノキ科) 生薬名 桂皮

熱帯地域の樹木で、ベトナム産が最高級品とされる。日本では良質のものが出来ないため現在はあまり見られない。質のランクは様々なものがあり、値段は全然ちがう。もちろん質が良いものは、辛味も甘みもすばらしい。出荷方法も国によってこだわりが違うようで、日本の生薬業界の流通では、ベトナム産が一流のようです。
そのため、香りや味の良い上質の生薬は、桂皮に限らず保険医療では使えません。
漢方では色々な処方に配合され、葛根湯等の風邪薬全般、神経痛や、のぼせ、動悸、腹痛、頭痛、更年期、皮膚病などよく使われる。
一般では駄菓子やさんにあったニッキ飴や、カプチーノに入れるシナモン、八つ橋等に香料として使われている。
八つ橋も香りが大事だが良質の物だけだと、匂いがきつ過ぎるため、産地を変えて混ぜたりしているらしい。
焼酎につけおくと美味しいお酒が出来る。

シナモンの精油は、表皮からコルク層まで除き、その内側にあるので、シナモンの精油量をチェックするには、写真のように生薬の端を削ってどのくらい精油が含まれているか観るそうです。
削って時間がたつと、精油は蒸発し観えなくなりますが、また削るとでてきます。ということは、若いシナモンは、収穫しやすいですが、樹皮も薄く、精油も少ないという事になります。
次の写真は、精油を観られるように少し削りました。

そのため、上質なシナモンは数が少なく、貴重なものです。写真のシナモンは栃本天海堂さんからの提供ですが、これでも最上級ではないそうです。街で見かけるシナモンスティックとは比べ物にならないですよね。

美味しいんですよ。