医王堂通信
としろぐ

食養生(食べ物の大切さ)

2004.11.11

自然の物にはすべて意味があります。
西洋医学では食べ物を糖質、脂質、たんぱく質に分けたり、
何カロリーあるのか、成分は何か、という考えや水にはカロリーがないから太らないという考えが今主体になっているようです。
しかし東洋医学ではその食べ物(生物)がどのような地域に生存し、どのような時期に成熟・充実するのかなど、生きている意味、生存している理由をよく観察しています。
「陰&陽」「プラス&マイナス」「表&裏」を基本として考える東洋医学では、食べ物の「温める」「冷やす」という性質をとても重要視します。
たとえばお寿司を例にするとお酢と生の魚は冷やします。
その為ワサビやガリ(生姜)を食べて温める。
というバランスから成り立っています。
そのため夏に取れるキュウリでも生ですと冷えるので塩(温めて余分な水分を出す)で揉みます。
「秋なすび嫁に食わすな」というのは冷やすから子供が出来ないよという教訓なのです。
日本人の基本は和食です。

主食

最近は季節の物もわからなくなりましたが、主食はお米です。粉から作られているパンなどの小麦粉製品は微粉末になり過ぎていて主食の変わりにはなりません。
白米に比べ玄米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なため、よく噛んで食べる食べ物です。そのかわり白米に比べ少量で足ります。白米は消化が良くかまなくても食べられ、糖分が多く栄養の偏りがあります。そのためついつい食べ過ぎてしまいますのでご注意ください。

それとお味噌汁と季節のおしんことおかずは1品でいいでしょう。お味噌や漬物、納豆などの発酵食品は、ヨーグルトに負けないくらいお腹にいいはずです。
おかずも煮たり焼いたりした野菜中心です。
肉類は頭から骨まで丸ごと食べられる小魚がいいでしょう。動物性の食べ物は血液となり肉となり元気も出ますが、血液を汚しがちです。野菜は葉緑素が血液の素にもなりますが、ミネラルビタミンが豊富で、しかも血液を浄化・解毒する効果があるので、とても重要です。

減らした方がよい食べ物

〇生野菜

・・・生は冷える、火を通して食べましょう。

〇フルーツ

・・・生は冷える、暑い地方の食べ物です。胃腸が冷えて動きが悪くなると元気がなくなってしまいます。

〇乳製品

・・・材料が動物の体液、日本人は離乳期があるし血を汚すと考えます。健康飲料ではありません。

〇のどが渇いてもいないのに飲む水分(お茶、コーヒー、ビール等)特にカフェインやアルコール飲料は習慣性が強いので病みつきになります。

・・・何事も過剰と不足はいけません

歯並びは穀物を食べる歯が6割、
野菜を食べる歯が3割、
肉類を食べる歯が1割と言われてます。
食事もこの比率で食べたいものです。
今までのことは食べ物の事でしたが
あと2つ大事な事があります。

~1~

良く噛む。

一口最低30回、本当は100回、と言いたい所ですがなかなか出来ないのでこれぐらいにしました。
いきなりは出来ないと思うので、始めは10回ぐらいから数を数えながら噛んでみてください。と、昔は説明していましたが、最近お話ししている方法は、「口に入れたものはすり潰してから呑み込みましょう。」です。

~2~

腹八分

「お腹いっぱいは食べ過ぎです」

「ゆっくり食べなさい」とも言われるように、ゆっくり食べる事は難しいことですが、よく噛む習慣が身につくと自然に時間がかかり、食事も減り消化も良くなるので、太っている人であれば痩せて痩せている人なら太ります。ストレス性の過食も多いようです。消化吸収にはものすごいエネルギーを必要としますので、疲れたり眠くなります。
現代の日本は食べすぎが原因の病気がずいぶん多く見受けられます。
とにかく胃腸に負担をかけないように、身体を冷やすような食べ物をさけ血行を悪くさせないようにしましょう。