お味噌汁の効果
お味噌汁
不足しがちな栄養素の効率的な摂取源
塩分のとり過ぎが、高血圧症や脳卒中、胃癌などの発祥リスクを高める事がわかってからというもの、日本人の味噌汁離れが急速に進みました。一時は「味噌汁は1日1杯が限度」とまで言われたものですが、近年、味噌の原料である大豆の様々な効用が明らかになるにつれ、味噌汁の良さが見直されています。
原料の大豆には様々な効用が
味噌は麹の種類によって、米みそ、麦みそ、豆みその三つに分かれるが、いずれも原料は大豆。大豆には各種の必須アミノ酸が含まれており、ミネラル、ビタミン、繊維質も豊富です。大豆のアミノ酸にはニコチンの害を防いだり、肝臓の解毒作用を助ける効果があります。さらにコリン、大豆サポニンなどの成分は肝臓に入ったアルコールが脂肪として蓄積されるのを防いでくれます。お酒が好きな方や喫煙者にはまさにお薦めです。
また大豆タンパクには、血中のコレステロール値を低くする働きがあり、動脈硬化や冠動脈疾患の予防にも役立ちます。そのほか、味噌には酵母や乳酸菌なども含まれています。乳酸菌は、大腸の働きを活発にして下痢や便秘を防ぐほか、老化防止にも役立ちます。ようするに日本製のヨーグルトです。お腹もキレイになればお肌もツルツルになるはずです。
こうした、味噌そのものが持つパワーに加え、緑黄色野菜や海草、貝、きのこ等日ごろ不足しがちな食品を具として摂取できる点が、味噌汁の長所です。
秋田、岩手の両県で行われた調査によると、どちらの地域の住民も1日に摂取するカルシウムと鉄分の20~25%を、味噌汁からとっている事が明らかになったそうです。味噌汁は種々の栄養素の効率的な摂取源です!やはり和食はすごい!ごはんとお味噌汁と漬物をもっと食べましょう!
極端な減塩はかえって危険
それでも、味噌汁の塩分が気になるという人は多いでしょう。日本の東北地方に限らず、塩分摂取量が多い地域で高血圧症の発症率が高い事は、世界的に確認されているそうです。
ちなみに、味噌汁1杯に含まれる塩分量は1.5g~2g程度。健康人の塩分摂取量は1日10g以下が目標とされているが、仮に毎食味噌汁を飲めばその半分を摂取する事になってしまいます。塩分のとり過ぎを避けて、大豆が持つ効用を最大限に引き出すためには、昆布やかつお節できちんとダシをとり(インスタントだしを使うと味が薄く感じるため塩を多く入れすぎてしまう)具には緑黄色野菜を多めに入れると良いです。そうすれば具に含まれるカリウムが、体内からのナトリウム排泄を促してくれます。
気をつけなければいけないのは、塩のリスクを恐れるあまり極端な減塩に走ってしまう事です。塩分の摂取量は少なければ少ないほど良いわけではありません。過度の減塩が、かえって危険を招く事もあります。
何でも程々が大事ですね。 Nikkei drug informationより