医王堂通信
としろぐ

父の介護 圧迫骨折の対応 手当て

2015.5.29

お陰さまで両親ともに元気ですが、父は85歳、母は81歳でさすがに高齢者です。
お店は実家なので、いつも両親のそばにいる事が出来て幸せですが、同時に介護も必要になります。
今年2015年の春に父は高齢のため、腰椎の圧迫骨折をしました。
そこで整形外科では、痛み止め、骨粗鬆のための注射、ギブスはできないので、コルセットを使用。
まず、痛みの影響と、痛み止めの影響で食欲と元気が無くなりました。では痛み止めで楽になるかといえば、多少の効果でしょう。痛くて横になっていては寝たきりになる。痛くて立っていられないし、椅子にも長く座れない。ソファーであればなんとか動かさなければ痛くない。しかし、コルセットは苦しいし、背中が丸まってしまう。
週1回、骨粗鬆の注射をしはじめたら、血圧が上がり始め、そのせいかわからないが、なんだか様子がおかしいので中止。デイケアなどリハビリにも行って、皆様に助けて頂いておりますが、痛くてしょうがない。家族皆で困り果てました。
そこで、腰の血流を良くし、気力体力を上げる漢方薬を作り飲ませました。それと共にやり始めたことがあります。それは。。

「棒灸」
東洋医学では温度を非常に大事にします。「温める」「冷やす」温度の差を利用します。高齢、骨折、痛む、力が無い、動けない、まずは温める事が必要。温めて血流を良くするのは非常に効果があります。漢方薬でも温める事は可能ですが、実際に患部を直接温めるのにはかないません。鍼灸もとても良く効きます。
しかし、本格的なお灸はライセンスが必要なくらい難しいですが、自分で簡単にできる方法もあります。それは、鍼灸師の鋭くツボで効かせるお灸ではなく、ゆっくりとやさしくホワッと温める、あったか~い気持ちのよ~いお灸です。
薬局には昔から自分でできるお灸が棒状になって売っています。現在毎日父の背骨を棒灸で温めています。やり始めたその日からガラッと変わりました。気持ち良さそうにすやすや眠り、落ち着き、骨折痛も減ってきています。嬉しい。棒灸でほんのりピンク色になる程度温めてあげて、その後は究極の紫雲膏でマッサージです。
紫雲膏マッサージは、お灸の火傷にもいいし、血流もさらに良くなるし、塗るだけで温まるし、冷えたところをマッサージするのに私はよく使っています。高齢の父ですが、紫雲膏のお陰で背中の皮膚はツルツルピカピカです。ちなみにこの紫雲膏の使い方は本来の使い方ではなく、個人的な使い方です。
父は昔仕事の後、寝たきりの大腸がんの祖父の足を、毎晩片足300回ずつ回していました。日中寝たきりの祖父は、夜歩いて小便にいけない。足首を回してあげると少し歩いたような状態になります。すると祖父は気持ちよくてスヤスヤと眠り、夜もトイレに自分で行けたそうです。祖父が亡くなる日も、マッサージの後、眠るように他界したそうです。
小さい頃私は腸閉塞の手術後、よくお腹が痛くぐずっている時に、父がお腹を毎日のようにお灸や、マッサージしてくれました。その恩返しという事で。笑顔が見れるって幸せですね。

(この写真は、自分で背中などにお灸ができるような器具がセットになっています)
「コツ」
煙が出ます。火の始末に気をつけましょう。もぐさの香りは森林浴です。
やさしさがないとこういうことは難しいので、ご家族か、鍼灸師さんでないと難しいかもしれません。
しかしあまり難しく考える必要はありません。もし詳細を知りたければお店においでください。実際に使い方をお教え致します。父の腰椎は約25cmくらい温めておりますが、ほんのりピンク色になり熱が入るのに、日によりますが約20分程度です。
火が怖い方、煙が困る方、などちょっとハードルが高いなという人のために、塩灸玉を作りました。お灸にはかないませんが、気軽に継続できます。
「Herbal Salt Ball 塩とよもぎと生姜のマッサージボール」
とにかく中枢神経が通っている背骨を温めるのですから、血流も良くなり、心も落ち着き、癒されて笑顔になります。両親が生きている限り、いくつになっても子供です。後悔しないように生きましょうね。