赤松について調べてみると、効能が興味深かった。
先日「松葉健康法」という本を読みました。この本には「松」にまつわる歴史と民間療法が書かれていました。改めて読んでみると松はとても身近で貴重なものという事がわかりました。
例えば美味しい「松茸」、赤松の根に寄生する生薬「茯苓」、松の実、松やに、松の樹皮の甘皮など、仏教では修行のための強健な体力づくりの一環として、強壮強精の妙薬として、忍者は強力が出るためとして、富山の売薬では喘息や頭痛薬として用いられ、心臓強化、抗高血圧、強精、貧血などに使われてきたようです。
お城に生えている松も戦争時など緊急時の栄養源として利用されたそうですし、お正月の門松も、飾った後に食べれらたそうです。
さっそく乾燥赤松葉を手に入れて松葉茶や、松葉酒を作っています。苦味があり独特の味ですが松の香りがさわやかです。まるで森林浴をしているようです。また、松葉酒はジンのような味なので、ジュニパーベリーと混ぜてクラフトジンの素を作成中です。「若さを保つ薬用酒 クラフトジン(仮)」が完成したらご紹介いたします。
赤松葉
古代中国の本草書である神農本草経では松葉や松脂は上品(副作用がなく長寿になる薬草)に収録されています。 また、松の他の様々な部位は強壮、利尿などの仙薬として用いられてきました。
本草綱目(本草書)では「松葉は悪瘡を治し、毛髪を生やし、五臓(心臓、肝臓、腎臓、肺臓、脾臓)を安んじ、胃腸を守り、気を益す。久しく服すれば、穀を断って饑えず、渇かず、則ち身軽く、不老延年す」と記載されています。
古くから松は松樹千年翠と喜び祝われ、不老長寿の象徴として、また瑞祥の樹として親しまれてきました。とりわけ松葉についてはその効能がもっとも多く知られています。血流促進、血管強化、心臓強化、抗高血圧、強壮強精、育毛、胃腸虚弱です。数年前に新型コロナにおける血栓に対して松葉が良いのではないかと話題になりましたが、今までの使われ方をみると理解できることです。
写真の左は自家焙煎した赤松葉、右は干しただけの赤松葉です。赤松酒を作るのであれば右。お茶として飲むのであれば焙煎赤松葉が香ばしくて飲みやすいと思います。養生のために利用するのであれば、美味しく続けられることが優先でしょう。両方ご用意しております。
松の実 精気を養うスタミナ食
赤松や黒松ではなく、五葉松の松ぼっくりの中にある種の中の核(仁)です。種は栄養の多い油分が含まれていて、松の実は他のナッツ類よりも栄養価が高いことで有名です。韓国や中国では長寿の食べ物です。油分は76%あり、古書には「滋養高く五臓を養い、肌を潤し、便通を促す」と抜群のスタミナ食と書かれています。韓国の「東医宝鑑」によると皮膚を艶麗滑沢ならしめ、毛髪を長ぜしめると。薬草名は「海松子」と言い滋養強壮薬ですが食べ過ぎると鼻血が出るほど“精”が強くホルモンが含まれているようです。美容やご年配の方の栄養補助にも、便通にも良いので食事やおやつとして1日20~30粒召し上がるとよいでしょう。松の実もご用意しております。
松茸 血圧を下げる安産の妙薬
松茸はいろいろな松に寄生するようですがやはり赤松の松茸が味も香りが良いそうです。消化酵素が豊富で薬用としては腹痛、下痢、貧血、高血圧に、また松茸の地中部を煎じると産後の腹痛や安産の妙薬とされたようです。現在の価格では現実的ではありませんね。
松やに できものを治す神仙薬
湿疹、皮膚病、喘息や気管支炎、咳に使われてきました。
このように「赤松」は貴重な植物という事がわかりました。そして、その赤松葉配合医薬品といえば50年以上歴史のある「松寿仙」です。中国山西省の永楽宮の壁画には頭から松の枝が突き出ている松寿仙人が描かれているそうです。その仙人の名前を頂いたそうです。(松葉健康法 高嶋雄三郎著より)